協働ロボット「ソーヤー」がカフェを提供する

エイチ・アイ・エス(H.I.S.)は、東京都渋谷区の渋谷モディ地下1階にあるH.I.S.渋谷本店内に、ロボットが本格ドリップコーヒーを提供する「変なカフェ」をオープンした。

H.I.S.グループが展開するテーマパーク事業の「ハウステンボス」をはじめ、「変なホテル」で培ったロボットのノウハウを生かしたカフェで、協働ロボット(人との共同作業を可能としたロボット)と人による少しのサポートで人件費を抑えて運営する。

カフェでは米国Rethink Robotics社が開発・生産する、単腕型・高性能協働ロボット「Sawyer(ソーヤー)」と、同時に複数杯のドリップコーヒーを淹れられるバリスタマシンの「Poursteady(ポアステディ)」の2台が稼働。発売機でメニューを選んでバーコード付きチケット(290円~410円・Mサイズ)を購入し、バーコードリーダーにチケットをかざすと、2台のロボットが連携して自動的にドリンクを用意する。提供メニューは、カフェラテ、カプチーノ、カフェモカ、ココア、抹茶ラテなど7種類。ドリンク1杯を提供するまでの必要な時間は、ドリップコーヒーがおよそ3~4分、ほかのメニューは2~3分。

営業時間は11時~21時(ラストオーダー20時30分)。定休日(1月1日)のほか、メンテナンスによる臨時休業がある。

店舗開発はH.I.S.子会社のロボット事業会社hapi-robo st(ハピロボ エスティ)が担った。同社は2017年11月に「変なホテル ハウステンボス」内にオープンした、無人でお酒を提供する「変なバー」を開発した実績もある。

「変なカフェ」の「Sawyer」は、もともと工作機械の操作や梱包・検査などの緻密な作業をこなすロボットだが、他のソリューションと組み合わせることで、カフェに最適化したロボットにカスタマイズした。

富田直美社長は「世界中で多くのB2B向けロボットが稼働しているが、開発メーカーはコンシューマ向けにも何かできないかという考えを常にもっている。さまざまなテクノロジーを掛け合せて新しい活躍の場を提供するのが、われわれのミッション」とコメント。工場で淡々と働くロボットが、人の目に触れ、直接コミュニケーションをとる機会はますます増えていきそうだ。(BCN・大蔵 大輔)