結婚生活よりシングルがいいところはある?

3つの経済的準備は、どれも1000万円クラスのお金の準備を考えるべきテーマです。つまり、シングルは結婚よりラク、なんて軽く考えていてはいけないということです。

あえてシングルが結婚生活よりいいところがある、とすれば、子どもの子育てコストが生じないというところでしょう。子どもを産み、育てていくためには2000万円かかるともいわれますが、この経済的負担がないことを、自分のシングルライフの幸せのために活かしていくことが必要なわけです。

しかし、シングル正社員については、自分の年収を自分の生活のためにフル活用してしまうため要注意です。このままの生活を続けていると、お金は貯まらないまま、老後にいきなり生活コストを半分にしなければならないことになるでしょう。家計の見直し、貯蓄習慣の確立をしていきたいところです。

また、非正規で働いているシングルについては、ムダづかいはあまりないものの、なかなか年収があがらない分、家を買ったりお金を貯めるのが難しいところがあります。しかし、あきらめてこのまま過ごすと、今はもちろん老後も苦しいことになります。一歩一歩生活の安定に向けてお金を残し、増やしていきましょう。
 

おひとりさまは、堂々と、楽しく、シングルライフを楽しもう

社会的にみれば、結婚しないシングルが迫害されなくなったことはとても大きな一歩です。しかし、経済的に苦しい人生では、まだシングルの生活が認められた、とはいえません。

シングルライフのまま年金生活も視野に入れ始める世代が、ずっと堂々と、楽しく、シングルライフを過ごせることではじめて、「おひとりさまだって、いいんだ」という変化は確実なものになります。

結婚生活には結婚生活の、シングルライフにはシングルライフの楽しさがあります。ぜひ、楽しいシングルライフを一生エンジョイしていってください。
 

やまさき・しゅんすけ 「人生の幸せの問題は、たいていはお金の問題である」という考えのもと、お金と幸せについて考えるファイナンシャル・プランナー(FP)。公的年金制度・退職金制度、投資教育が専門。Twitterでは毎日一言「お金の知恵」をツイートしてます。副業はオタクで、まちあるき、アニメとコミック、ゲーム好き。所属学会は東京スリバチ学会と日本年金学会