左から、川原一馬、木戸邑弥  撮影:源 賀津己 左から、川原一馬、木戸邑弥  撮影:源 賀津己

脚本に細川徹、演出に河原雅彦を据え、2009年に上演された熱血学園ミュージカルcube neXt『押忍!! ふんどし部!』。いわゆるイケメン若手俳優によるミュージカルへのカウンターとして登場したかに見えたこの作品が予想を超えた熱狂を生み、再演を重ねて2013年4月にはテレビドラマ化を果たした。そしてこの9月、続編が上演される。初演からこのシリーズに出演してきた木戸邑弥と川原一馬に意気込みを訊いた。

舞台『押忍!! ふんどし部!』チケット情報

ある高校の学園祭でかつて行われていた“白ふん流し”を復活させようと七転八倒する男子高生たちの姿を描いた『押忍!! ふんどし部!』。続編では、活躍したふんどし部の1年後、主人公の富永一郎太がかつての情熱を失ったところから物語が始まる。「不安もあるけど、楽しみの方が大きいです」そう語る木戸は初演から富永役を担っていたが、実は昨年怪我による療養のため俳優活動ができなかった。その間『押忍!!ふんどし部!』は再々演やテレビ版、と更なる展開を遂げた。「出演できなかった間、富永役を演じていた白洲迅くんは、作品に僕にはできない色づけをしてくれた。再びバトンを受け取ったからには、ふたりでこの役をつくりあげるつもりで臨みたい」と強い決意を話す。一方川原は「木戸くんがいない間、この作品を守らなきゃって気持ちが強かったから、戻ってきてくれて本当にうれしい。ドラマ版を経た再々演で、作品が大きく成長したのを感じた。だから続編ができるのは感無量です」と笑顔を見せた。

今作の魅力について、「バカバカしいけれど、作品の持つ熱量がお客さんと一体となって感動を生む。その熱が魅力。また、群像劇として、一人一人に注目して観ても楽しめる作品です。」と川原が話せば、木戸も「感動とか共感がふんだんに詰め込まれた作品。みんなでやればどんなことも乗り越えられるってことを伝えたい」と意気込む。「初演時は、演出の河原さんの期待に100%応えられたとは言えない。今回、成長した姿を見せたいと思います」という木戸に、川原も「もちろんこれまでも全力で演出してくださっていたけど、今回はもっと驚かせたいし、河原さんの気持ちに火をつけたい」と呼応した。

続編への思いを募らせるふたりだが、その先への思いもある。木戸が「第2弾がうまくいけば、第3弾も見えてくるはず。それと、自分はテレビ版に出られなかったからもう一度、映像化を!(笑)」と夢を語ると、川原は「そうだね、映画化だ!」と大きな野望を掲げた。大きな流れを生みつつあるこのシリーズに注目したい。

公演は9月6日(金)から16日(月・祝)まで、東京・CBGKシブゲキ!!にて。チケットの一般発売は7月20日(土)午前10時より。

取材・文:釣木文恵