デルピエロがサッカー教室を開催  (C)SAGAN DREAMS Co.,Ltd Photo Y.Masuda デルピエロがサッカー教室を開催 (C)SAGAN DREAMS Co.,Ltd Photo Y.Masuda

7月22日、鳥栖のホームスタジアムであるベストアメニティスタジアムで元イタリア代表アレッサンドロ・デルピエロによるサッカー教室が開催された。抽選で選ばれた地元のサッカー少年、少女150人が参加。その中にはお年玉を貯めて買ったユベントスのレプリカユニフォームで参加した少年もいた。

サガン鳥栖vsシドニーFC チケット情報

ピッチにデルピエロが登場すると、大きな拍手が上がり、スタンドから歓声が上がった。デルピエロが「今日はこのサッカー教室にご招待いただき、また、これだけの皆さんに来ていただき、ありがとうございます。九州の地域のことを学ぶことができてうれしく思います。今日は子供たちとサッカーをして、テクニックを教えながら、一緒に楽しみたいと思います」とあいさつすると、サッカー教室がスタートした。

まずはあいさつ代わりにデルピエロがリフティングを披露すると、感嘆の声と拍手が起こった。その後はドリブルの際のボールタッチについて子供たちにアドバイスを送り、希望した子供たちとは1対1で対決するなどサービス精神旺盛なところを見せ、持ち前のテクニックを惜しげもなく披露した。続けてミニゲームではフリーマンとして常に攻撃側に加わり、ドリブルやパスで子供たちを魅了。ユニフォームの下にボールを抱えて運ぶというユーモラスな一面も見せ、子供たちの笑顔を誘っていた。試合後の整列にも参加し、子供の目線に合わせるようにひざをつけて握手するなど、細かいところまで子供たちのことを気遣っていたのが印象的だった。

サッカー教室の最後には伝家の宝刀であるフリーキックを子供たちの前でデモンストレーション。鮮やかな弾道のフリーキックはゴールだけではなく、子供たちやスタンドの保護者のハートも射抜くものだった。サッカー教室のワンシーンとはいえ、そのテクニックの高さ、人々をひきつけるカリスマ性は、ユベントスやイタリア代表で一時代を築いた全盛期の姿を彷彿とさせるものだった。サッカー教室を終えたデルピエロは「一番伝えたいことは楽しむこと。サッカー以外でも楽しいと思えることを頑張ってやり続けてください。たくさんのエネルギーを皆さんからもらいました。24日に試合(鳥栖vsシドニーFC)がありますので、また会えることを楽しみにしています」とメッセージを送った。

「日本とは深い関わりがあるし、小さいときから日本が好きだった」と話す親日家のデルピエロは、ベストアメニティスタジアムの印象について「綺麗なスタジアムだし、ピッチとスタンドの距離も近い。鳥栖のファンは熱いと聞いているのでそれを肌で感じられるのが楽しみです」と24日の試合に向けて思いを馳せていた。「日本との関係には特別なものを感じている。日本に来るときはいつも温かく見守ってもらっているので、ピッチで恩返しがしたい」と話すファンタジスタが、日本でのプレーで一切手を抜くことはないだろう。迎え撃つ鳥栖は、クラブ初のホームでの国際親善試合。真剣勝負モードのデルピエロを擁するシドニーFCとの一戦から、世界に向けてのスタートを切ることになる。

サッカー専門新聞『ELGOLAZO』 杉山 文宣