クイーンのボーカリスト、フレディ・マーキュリーの伝記映画から、サシャ・バロン・コーエンが降板した。バンドメンバーと映画の方向性で意見が合わなかったようだ。

コーエンが求めていたのは、才能あふれるゲイのマーキュリーの隠された部分を赤裸裸に描くような映画。一方で、クイーンのメンバーは、クイーンについての当たり障りのない映画を求めていたらしい。コーエンは、監督の候補としてデビッド・フィンチャーや、コーエンが『レ・ミゼラブル』でコラボレーションをしたトム・フーパーを挙げていたが、この件に関してもクイーン側の承認を得られず、決定には至っていない。コーエンはルックスもマーキュリーにきわめて似ており、この役に強い情熱を持っていたが、彼が降板して、映画は振り出しに戻った形。プロデューサーには、ロバート・デ・ニーロも名を連ねている。コーエンの次回作は、今年12月北米公開される『俺たちニュースキャスター(未公開)』の続編。

文:猿渡由紀