(左から)大泉洋、柴咲コウ、劇団ひとり

劇団ひとりが自身の小説『青天の霹靂』を、大泉洋主演、柴咲コウをヒロインに迎え、自らがメガホンを執り映画化することが明らかになった。

『青天の霹靂』は、天涯孤独で売れないマジシャンが、40年前の浅草にタイムスリップし若き日の両親と出会い、自分の出生の秘密を知るという物語。大泉は、うだつが上がらないマジシャン轟晴夫(とどろきはるお)を、柴咲は、晴夫がタイムスリップ先で出会う若き日の母・悦子(えつこ)を、劇団ひとりは、父・轟正太郎(とどろきしょうたろう)を演じる。脚本は『僕の生きる道』『フリーター、家を買う。』などを手がけた橋部敦子。

劇団ひとりは「8年ほど前、マジックバーで見たバラの手品に感動し、いつか映画に出来たらという想いで原作を執筆しました」といい、監督デビューは文字通り「まさか自分が監督だなんて、それこそ“青天の霹靂”ではございますが、マジシャンの方々も納得の作品になるよう死に身でやらせていただきます」と語っている。プロデューサーの川村元気氏は、「劇団ひとりのひとり舞台の演出の緻密さを見て、この人は絶対に映画監督ができると思った」と、監督抜擢を決断した理由を説明。

大泉は「以前からひとりさんの笑いや小説のファンでしたから、今回のオファーはとてもうれしかったです。そして主人公が昭和48年にタイムスリップするというストーリーも、その年に生まれた私には大変深い縁を感じております。ただ役が浅草のマジシャンという事で、只今、手品を猛特訓中ですが、これがあまりにも難しく、何とか役をマジシャンからコメディアンに変えてもらえないかと日々頼んでおります(笑)。柴咲コウさんの息子役というのも今から楽しみです」とコメント。

柴咲は「劇団ひとりさんも大泉洋さんも二度目の共演。お二方とも撮影時は心遣いのある方で、とても楽しく撮影できた思い出があります。今回は優しい気持ちで撮影に臨めそうです。脚本はスっと心に入ってきて、情景が浮かびやすかったです。タイムスリップという誰もが夢に抱くひとつの大きなフィクションの元、その時代の趣きや良さ、そしてその中で生まれる人情や情愛を丁寧に表現できれば、と思っております」と話している。

撮影は、8月から9月にかけて、浅草や長野県上田市などで行われ、12月の完成を目指す。公開は東宝の配給で2014年の予定。

『青天の霹靂』
2014年公開