(左から)ギレルモ・デル・トロ監督、芦田愛菜ちゃん、菊地凛子

自他ともに認める“ハリウッドNo.1の日本オタク”ギレルモ・デル・トロ監督が、製作費2億ドルを投じた超大作『パシフィック・リム』を引っ提げ、5年ぶりに来日。28日に都内で記者会見を行い、日本人キャストの菊地凛子と芦田愛菜ちゃんとともに本作をアピールした。未知なる“KAIJU”と巨大ロボットの戦いを描き、日本のアニメや特撮映画へのオマージュを捧げた本作をデル・トロ監督は「私から日本へのラブレター」と語った。

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「私が日本のアニメや特撮から学んだのは、怪獣に対するシンパシーや、科学技術への愛情。ビジュアル面での独特な美意識にも、大いに影響を受けている」と熱弁するデル・トロ監督。そのこだわりは、人類の英知を結集した人型巨大兵器“イェーガー”の造形にも反映されており「それぞれの特性や性格づけを考えた上で、さまざまなデザインを考案した。それとシルエットも非常に重要な要素。毎週オーディションをし、最終的な採用案を絞り込んだ。『アメリカン・アイドル』みたいにね」。

また、イェーガーはパイロットふたりの神経回路を結合させ、初めて起動するという設定で「互いが信頼し合うことで、世界を救うことができる。つまり、地球という同じロボットに乗った我々人間も、愛情と信頼なくして生き延びることはできないという普遍的なメッセージを伝えたかった」と本作への思いを熱弁した。

日本人パイロット・マコ役で主役級の活躍を見せる菊地は、海外進出作『バベル』(2007)のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督を通じて、デル・トロ監督と出会い「当時から『ぜひ映画に出してください』とお願いしていた。その夢が、監督の日本愛が詰まったこの作品で実現したことはとても光栄」と感無量の面持ち。一方、ハリウッドデビューを飾った愛菜ちゃんは「Hello, My name is Mana Ashida. Please enjoy the film “Pacific Rim”.」と英語であいさつ。

現場でのデル・トロ監督について、ふたりが「まるでトトロみたい。監督からも『トトロと呼んで』と言われた」と口を揃えると、監督は「台本の段階で、マコは凛子を想定していた」「愛菜ちゃんはプロ意識が高い天才女優で、きっと精神年齢は50歳なんだと思う」と日本人キャストを絶賛した。同日、東京・江東区の「アーバンドック ららぽーと豊洲」でジャパンプレミアも開催され、激しい雨が降りしきるなか、ファン2000人(主催者発表)が駆けつけた。

『パシフィック・リム』
8月9日(金) 丸の内ピカデリー 新宿ピカデリーほか 3D/2D同時公開