アニソンは人生のパートナーみたいなもの(春奈)

――おふたりとも濃密な1年を経て今回の『MUSIC ENERGY 2013』に臨まれることと思います。この1年で成長したと感じることはありますか?

結城「私はデビュー6年目なんですよ。でも今までライブ活動をずっとしてこなくて、去年から始めたんです。この1年はいろんなイベントに出て緊張することが多かったんですが、そこで得た力で、今年はもっと魅せられるパフォーマンスができたらと思っています」

――印象的なエピソードなどはありますか?

結城「そうですね……昨年の『MUSIC ENERGY』で、映像トラブルがあったんですね。それがすごくドキドキしたんですが、でもライブはナマモノだし、そういうアクシデントはつきもの。逆に醍醐味だっていえるような心の強さを持っていきたいですね」

春奈「私は以前、歌うことや表現することって自分のためだったんです。でもこの1年で、聞いてくれる方からいろんな形で感想をいただけて、それがすごく力になりました。もっと歌とちゃんと向き合わないといけないなと気づけたし、大好きなアニメがもっと大好きになれた1年でしたね」

――新曲のお話についても聞かせてください。まず結城さんはOVA『機動戦士ガンダムAGE~MEMORY OF EDEN~』のEDテーマ『未来の模様』を担当されていますよね。
 

結城「はい、『機動戦士ガンダムAGE』はテレビシリーズと比べて3分の1以上が新カットになっていて、設定も変わっているんです。なので一度見た方も楽しめると思いますよ。今回は私が歌わせていただいた曲が物語のキーになっていて、人のつながりや絆について歌った曲になっています。気合いが入りすぎて、全部生音で録音したんですよ(笑)。他にも有志で大学生の方に集まっていただいて合唱しているシーンがあるんですが、そこに私も参加しています」

――春奈さんは7月24日に新曲『アイヲウタエ』が発売されました。この曲はアニメ『物語』シリーズのEDテーマであり、ボカロPの「じん(自然の敵P)」さんが作曲されたんですよね。
 

春奈「そうなんです! 私はもともとじんさんのファンで、カゲロウプロジェクトが大好きなんです。音楽はもちろん、小説や漫画も読んでいます。そうしたら、昨年事務所の方に『好きなボカロPはいるの?』って聞かれたので、じんさんって答えたんですね。それがきっかけになったのかはわかりませんけど、こうしてじんさんに作っていただいて、カゲロウプロジェクトの一部になれるんじゃないかっていうワクワク感がすごいです」

――たしかにじんさんらしい曲でしたね。カゲロウプロジェクトでいうと『如月アテンション』のエッセンスが感じられるような……。

春奈「そう! そうなんです。リズムや転調のところなんかは、すごくじんさんっぽいなと感じていて、聞いて感動しました」

――アニソンアーティストとして注目を集めているおふたりですが、アニソンの魅力はどこにあると思いますか?

結城「アニメって日本が誇る文化ですよね。世界中の人が見てくれているのは、アニメにしかできないことだし、そこで歌を担当できるのは光栄なことだと思っています。それに、アニソンライブに行って毎回思うんですけど、お客さんがみんないい顔をしているんですよ。気づいたら自分も笑顔になってしまうんです。デビュー前はピアノの弾き語りとか、ライブ活動なんかをしていたんですが、今はアニソンを通していろんな人との出会いがあって、人とのつながりを感じられる。これはアニソンが与えてくれたものなんです。大切にしていきたいですね」
 

春奈「私にとってアニソンは人生のパートナーみたいなものですね。アニソンってすごく力を持っていて、いつ聞いても色褪せないし、そのとき感じた季節、匂い、感覚を鮮明に思い出させてくれるんですよ。今年は海外に2回行かせていただいたんですが、そこでもファンがたくさんいて、日本の文化が伝わっているんですね。コスプレなんかもすごくクオリティが高い。それを見ると、自分もアニメとアニソンが好きでよかったなって思うし、自分にとっては宝物ですね」