『マジック・マイク』を手がけたスティーヴン・ソダーバーグ監督

人気俳優チャニング・テイタムの若き日の実話を基にした映画『マジック・マイク』が間もなく公開される。男性ストリッパーたちの姿を描いた本作でメガホンを執ったのは『オーシャンズ11』や『トラフィック』を手がけたスティーヴン・ソダーバーグ監督だ。

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本作は男性ストリップ・クラブを舞台に、圧倒的な人気を誇りながら自分で事業を始めたいともがくマイク(テイタム)、彼に誘われてストリップの世界に足を踏み入れるアダム(アレックス・ぺティファー)らの姿を描いた作品だ。

ソダーバーグ監督のもとに本作の話が持ち込まれる前から本作の企画は存在したが、ソダーバーグが監督に就任した段階で「チャニングは、まったく一から始めるかのようにふるまった」という。「彼は最初からやり直したかったみたいだよ。僕が最初に望んだことは、彼に覚えていることをすべて語ってもらうことだった。そこにはどんな人たちがいたのか、クラブの規模はどれくらいのものだったのか、仕事は何時に始まり、何時に終わったのか、ほかにはどんな仕事をかけもちしていたのか、いくら稼いでいたのか、どんなドラッグを使ったのか。僕はできるかぎりのディテールを知ろうとした」。

ちなみにソダーバーグ監督は、あえて男性ストリップについて深くリサーチせず、映画の“はじまり”であるテイタムの記憶や助言を最優先に製作を進めたという。「僕はストリッパーの心理を知る上でチャニングをパイプラインに使ったんだ。でも、僕らはチャニングの過去についてのドキュメンタリーを作ろうとしていたわけではない。本当のシチュエーション、本当の人たちを気にしてぎちぎちになる必要は感じなかった。僕は、娯楽を与える映画を作りたかった」。

その結果、完成した映画は男性ストリップの世界をリアルに描きながら、その世界で生き、そこから抜け出したいと願うマイク=テイタムの心情が描かれた普遍的な作品に仕上がった。「チャン(=テイタム)はプロデューサーのひとりだというだけでなく、もともと彼のアイデアだったんだ。僕は普段からオープンだけれど今回はとくに、自分ひとりの判断で映画を全然違う方向に持って行くことはできないとしっかり認識していた。僕は必ずチャニングに『こういうふうにすべきだと僕は思うんだ』と相談したよ」。

誰よりもテイタムを尊重し、彼の話に耳を傾け、しかし誰もが楽しめる映画を目指したソダーバーグ監督の手腕はすでに高い評価を集めており、本作はアメリカではすでに興行収入1億ドルを突破する大ヒットを記録している。

『マジック・マイク』
8月3(土)より、シネスイッチ銀座、Bunkamuraル・シネマ、シネマカリテほか全国順次公開