『トゥ・ザ・ワンダー』 (C)2012 REDBUD PICTURES, LLC

テレンス・マリック監督の最新作『トゥ・ザ・ワンダー』が9日(金)より公開される前に、ハビエル・バルデムとスタッフが撮影の裏側を語るメイキング映像が公開された。

メイキング映像

本作は、男女の愛の移ろいを通して、愛とは何かを壮大で美しい映像美とともに描いた物語。ベン・アフレックが、シングルマザーのマリーナ(オルガ・キュリレンコ)と、学生時代の友人ジェーン(レイチェル・マクアダムス)と出会い、苦悩する主人公を演じ、バルデムは布教を行いながら、信仰への情熱を失い葛藤する神父を演じている。

本作の撮影は、フランス・ノルマンディー海岸近くの島モンサンミシェルと、アメリカ・オクラホマ州の小さな町バートルズビルで行われた。マリック監督の作品は時に台本を作らず、役者に即興的な芝居を要求する。編集担当のキース・フラッセは「ウソっぽかったり、芝居がかってたりしたら、そのシーンは使わない」と語る。映像には衣装についてのこだわりや、撮影地で暮らす人々を出演者に起用する模様も収められている。

さらに、スタッフは“自然光での撮影のこだわり”についても語っている。美術担当のジャック・フィスクが「テレンスは自然光が好きなんだ。だから午後の撮影は南か南西、逆に朝は東か南東で行った」と語る通り、マリック監督は“光”に対して徹底的にこだわっており、「いい光がきている、雨の降る前に撮ろう」と機材を抱えて“いい光”のために駆け回るスタッフの姿は印象的だ。

公の場にでることを嫌い、謎の多い監督として知られるマリック監督。メイキング映像の中でも徹底してその姿は見せていないが、常に本物を求め、彼の要求にキャスト、スタッフも呼応していく様を見ることで、間もなく公開される本作への期待感がさらに増すのではないだろうか。

『トゥ・ザ・ワンダー』
8月9日(金)、TOHO シネマズ シャンテ、新宿武蔵野館ほか全国公開