写真左より、森脇良太(浦和レッズ・以下同)、槙野智章、那須大亮  (c)J.LEAGUE PHOTOS 写真左より、森脇良太(浦和レッズ・以下同)、槙野智章、那須大亮  (c)J.LEAGUE PHOTOS

7月の両軍の結果は対照的なものとなった。1位・サンフレッチェ広島と4位・浦和レッズの話である。広島はJ1リーグ唯一の5戦全勝で乗り切っただけではなく、11得点3失点と危なげのない戦いぶりを見せ付けた。一方の浦和はリーグ再開のジュビロ磐田戦での逆転勝利で2勝1分2敗と星を五分に戻したものの、7得点10失点と不安定な守備を露呈した。この7月の明暗が、6月時点で3位・浦和と5位・広島の勝ち点差3をひっくり返し、逆に広島が浦和に勝ち点5差をつけることになったのだ。絶好調の広島と踏ん張りどころの浦和。両軍が8月3日(土)・埼玉スタジアムで激突する。

灼熱地獄と化す真夏のナイトゲームで、ボールも人も動いて攻めまくるなんて夢のまた夢である。しかも、第19節は前節から中2日の強行軍である。勝利には省エネも必要になる。

そこで広島である。広島の最終ラインには千葉和彦、水本裕貴、塩谷司の3人が並ぶ。相手チームに流れがあっても、広島の3バックには得点を許さない瀬戸際の強さがある。もし、最終ラインが破られても、日本代表GK・西川周作がスーパーセーブを何度も見せている。0-0のままでも、我慢して守ってロスタイムに決勝弾を決めたゲームは7月だけでも2試合ある。引き分け濃厚のゲーム展開の中、勝ち点3を勝ち取る強さは、昨年リーグ優勝を果たした自信と、リーグ最小の13失点という堅守、そして決定力にある。

決定力を担うのが得点ランキングトップタイに並ぶ昨年の得点王・佐藤寿人と、日本代表MF・高萩洋次郎と2シャドウを組む石原直樹だ。佐藤と石原は7月に4ゴールを稼いだ。しかも、ふたりともハットトリックを達成している。試合終了間際の決定機で決めることもできれば、固め打ちもできるFWがふたりもいることは心強い。

ホームで迎え撃つ浦和はどうか。浦和の最終ラインには那須大亮、森脇良太、槙野智章の3人が並ぶ。7月はミスでボールを奪われ、チーム全体が上下運動を余儀なくされるシーンが目立った。ただ、浦和の3バックは守備はもちろん、ゲームを組み立て、オーバーラップでゴールに絡む仕事が持ち味なのも確か。那須の5得点をはじめ、森脇と槙野も3得点と、3バックの得点力は高い。

DFだけではない。日本代表FW・原口元気の7ゴールを筆頭に、FW・興梠慎三、柏木陽介とマルシオ・リシャルデスの両MFが各4得点、ボランチの阿部勇樹が3得点とどこからでもゴールを決めることができるのがレッズの強みである。

超攻撃的な3バック×超強固な3バック。8月3日(土)・埼玉スタジアムで勝ち点3を掴むのはどっちだ。チケット発売中。