東芝ホームアプライアンスは、8月1日、8月中旬から発売する最新生活家電の体験会を開催した。用意されたのは、サイクロン式クリーナー、保温釜、オーブンレンジの3製品。

●「集塵性能」か「軽量性」か、2タイプの選択肢を用意

サイクロン式クリーナーの最新モデルは、集塵フィルターなしで吸引力を99%以上持続する「TORNEO V」シリーズの「VC-SG513」「VC-SG413」、軽量コンパクトモデル「TORNEO V compact」シリーズの「VC-S43」「VC-S33」「VC-S23」の5機種。価格はオープンで、実勢価格は「VC-SG513」が8万3000円前後、「VC-SG413」が7万3000円前後、「VC-S43」が7万5000円前後、「VC-S33」が6万5000円前後、「VC-S23」が5万5000円前後の見込み。「VC-SG513」は9月1日に、ほかの4機種は10月1日に発売する。

二つのサイクロンを垂直統合した「バーティカルトルネードシステム」、軽い操作で力強くゴミをかき出す「イオンカーボンヘッド」、軽量素材や部品点数を減らして実現した軽量ボディなどが特徴だ。

集塵性能の高い「VC-SG513」で実際に掃除をして、特に便利に感じたのが「ecoモード」に搭載している「ゴミ残しまセンサー」。ゴミの有無を検知して、パワーを調節する省エネ機能なのだが、見えない場所を掃除するときにも大いに役立つ。

例えば、高い場所を掃除するときや家具の下を掃除するときはゴミが見えないので、きちんと掃除できているのかがわからない。しかし、「ゴミ残しまセンサー」を利用すれば、コントローラの赤く点灯したランプが消えるまでヘッドを動かせばいいので、確認の手間がかからない。

軽量コンパクトモデル「VC-S43」は、重さが2.9kgと軽いので、本体を片手で持ちながらでもらくに掃除することができた。ヘッドを軽く押せば「イオンカーボンヘッド」がぐいぐい前へ進むので、力を込めたり腰を曲げたりする必要がない。本体は凹凸のないスリムなデザインで、家具が密集した狭い場所をぶつかることなくスイスイ移動できる。

●昔ながらの「かまど」の味を追求した「真空圧力かまど炊き RC-10VWG」

掃除のあとは、お腹がすくもの。続いて、真空圧力IH保温釜の新製品「真空圧力かまど炊き RC-10VWG」を体験した。ふっくらとした米を炊き上げるために、米どころ新潟県魚沼のかまど名人で徹底的にかまど炊きの極意を研究。かまどのような「熱対流」「大火力」を実現する「一品削り出し本丸釜」を開発した。

丸みのある形状の羽釜は、熱対流を促進して、釜の外側から中心部まで温度差なく高温にする。内側と外側にはそれぞれ熱伝導のよいダイヤモンドを含む金属をコーティングしているので、米をすばやく均一に炊き上げる。

炊き上げる前にもひと工夫ある。水が米の芯までしみ込む「真空うまみ引き出し」を採用。独自のダブル真空ポンプで、常圧/真空の状態を繰り返し、うまみ成分を米にしっかり浸透させる。釜の中を減圧すると、米の外層部のうまみ成分がいったんは水に溶けるのだが、常圧に戻すと前より奥まで浸透する。従来機種では1回だった減圧を4回にすることで、よりうまみが凝縮した米をつくり出す。

おいしく炊き上げるために重要といわれる沸騰初期の火力は、「高火力カニ穴沸騰」によって従来の約1.5倍にアップ。釜底を波紋状にした「釜底WAVE加工」で、熱を集中させて沸騰力を高めた。連続加熱で沸騰初期の時間を従来の約2倍にして、米にしっかり熱を伝える。

体験会では、「熱対流」「大火力」を証明するために、そうめんを使った実演が行われた。おいしいごはんが炊けた証の「カニ穴」は、高火力で加熱された気泡がお米を押しのけて表面に抜け出るときにつくられるが、沸騰する羽釜のなかではまんべんなく気泡が発生し、そうめんは激しく上下に回転していた。

実演後には、「かまど」と「真空圧力かまど炊き RC-10VWG」で炊いたごはんを食べ比べ。味は甲乙つけがたい。かまどで炊いたごはんはしっとりしていて、かむたびに甘みが口中に広がったが、「真空圧力かまど炊き RC-10VWG」はもちもちとした食感で、コクのあるうまみが口のなかに広がった。

「真空圧力かまど炊き」は5機種をラインアップ。価格はオープンで、実勢価格は内釜にWダイヤモンド金コートをコーティングした「RC-10VWG」が12万円前後、ダイヤモンド銀コートの「RC-18VPG」が10万5000円前後、「RC-10VPG」が10万円前後、ダイヤモンド銅コートの「RC-18VWG」が6万8000円前後、「RC-10VXG」が6万5000円前後の見込み。「RC-10VWG」は10月中旬に、ほかの4機種は8月中旬に発売する。

●パンをムラなく焼き上げる「石窯ドーム ER-LD530」

今回の体験会には、おいしく米を炊き上げる保温釜だけでなく、おいしくパンやケーキを焼き上げる過熱水蒸気オーブンレンジ「石窯ドーム ER-LD530」も登場した。「石窯ドーム」を2000台以上導入しているABCクッキングスタジオの講師や生徒の意見を分析し、細かなニーズに応えた新モデルを開発した。

パンやケーキは、オーブンレンジ購入者が調理したい料理として人気が高いが、家庭用のオーブンではきれいに焼き上げるのは難しい。熱対流に偏りがあり、焼きムラが出てしまうのだ。ABCクッキングスタジオでは、この問題を「加熱終了5分前に角皿の前後を入れ替える」というひと工夫で解決した。

このひと手間に注目して搭載したのが「焼き色上手なくるりん熱風」。新開発の「ツインモーター」で、約90秒ごとに自動で熱風ファンの回転方向を反転する機能で、熱をオーブン全体に均等に伝える。

従来機と新モデルで焼いたパンを並べて展示していたが、「焼き色上手なくるりん熱風」の効果は一目瞭然。従来機で焼き上げたパンは、右奥のパンに熱が行き渡らず、焼きムラが出ていたが、「ER-LD530」で焼いたパンは全体の焼き色が均等で、端から端まで熱が対流していることがわかった。

「ER-LD530」は、ABCクッキングスタジオが開発したものを含む全386メニューを収録している。そのうち112メニューはスイーツ系だ。価格はオープンで、実勢価格は「ER-LD530」が15万円前後、「石窯ドーム構造」と「庫内まるごと遠赤」を搭載し、オーブン温度最高350度の「ER-LD430」は11万円前後の見込み。発売日はともに8月下旬。

東芝の生活家電は、エコできる生活の実現を目指す「ecoスタイル」と快適性能を追求した「ママゴコロ家電」をキーワードに、生活者が求める具体的なニーズを提案している。体験会では、新製品の基本性能の高さはもちろん、かゆいところに手が届くうれしい機能を堪能することができた。