『ショーシャンクの空に』に出演する成河と益岡徹

1994年の公開以来、多くの人々に愛されてきた映画『ショーシャンクの空に』が日本で初めて舞台化されることになり5日に演出の河原雅彦、脚本の喜安浩平、主演の成河(ソンハ)、益岡徹が出席して製作発表会見が行われた。

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本作は、スティーヴン・キングの小説『刑務所のリタ・ヘイワース』が原作。殺人の濡れ衣を着せられ刑務所に入れられながらも希望を捨てずに自由を手にしようとするアンディーと長く服役してきたレッドを中心に描かれる人間ドラマで、映画ではティム・ロビンスとモーガン・フリーマンがメインキャストを務めた。

日本でも多くの人々が最も好きな映画に挙げる本作に主演することに成河は「大役をいただき緊張しています。周りは『大丈夫?』という反応で、僕自身も『大丈夫?』という気持ちですが(笑)、みなさんを信じて誠心誠意、努めたいと思います」と意気込みを語る。この機会に初めて原作小説を読んだというが「決してスペクタクルではなく派手さはないけど演劇的だと感じました。想像に委ねる余地があると思います」と舞台俳優としての自信と誇りをのぞかせる。

益岡も「モーガン・フリーマンという偉大な俳優がやられた役をやらせていただくことになりました」とやや緊張した面持ちだが「第一稿を読んで、映画でも感じた突きぬけていく、自由を手に入れる解放感を再度感じました。誰かが『面白い映画と面白い演劇なら、演劇の方が力がある』と仰ったと思いますが、そうなると思います。いまの社会でも、閉塞感や絶望を否応なく感じながら生きる中で、アンディーが希望を持ち自由を渇望する姿勢は共感されると思う。稽古が楽しみです」と言葉に力を込める。

これまで『時計じかけのオレンジ』などの舞台化も手掛けた河原は「原作をリスペクトしつつもシンプルに面白い演劇を作りたい」とニヤリ。「実は、映画の感動的なシーンはほとんど原作にはない脚色だったりするんです。演劇の空間ならではの解放感、演劇なりの手法でカタルシスを見せたい。映画が好きで初めて舞台を見る人に作品の素敵さに加えて舞台の豊かさを伝えることが“勝ち目”につながると思う」と意気込みを語った。

映画『桐島、部活やめるってよ』の脚本家としても名高い喜安。9月の稽古開始に向けて、現在も脚本を執筆中とのことだが「映画を見た方にとって、見たことのないシーンがいっぱいでその全部が見どころ」と手応えを明かす。「小説でも映画でも選ばなかったであろう選択肢をやってもらおうと思っています」と演劇ならではの本作の魅力に対する自信をうかがわせた。チケット一般発売は9月1日(日)より開始。

『ショーシャンクの空に』
11月2日(土)より、東京、大阪、福岡、名古屋、松本で上演