僕たちはずっと闘っている。西島秀俊が語る『CUT』

2011.12.14 14:31配信
映画『CUT』に主演した西島秀俊

イラン出身で米国在住のアミール・ナデリ監督が西島秀俊を主演に日本で撮りあげた新作『CUT』が17日(土)から公開される前に、西島がインタビューに応じた。

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『CUT』は、兄から借金を続けて活動を続けるも成功しない映画監督の秀二が、死んだ兄の残した借金を返済するために“殴られ屋”を始め、自身のこれまでの人生と愛する映画のために全身全霊で立ち向かっていく姿を描いた作品。

日本映画界で活躍する西島と、米国を拠点に新作を発表し続けるナデリ監督が出会ったのは、毎秋に開催されている映画祭「東京フィルメックス」の会場。人の紹介で出会ったというふたりは、すぐに意気投合したという。「出会ってすぐに監督とは心が通じ合って。好きな映画やシーンも合うんです。だから監督が日本に来た時には一緒に散歩して、最近観た映画の話とか、自分がどこで生まれ、どういう道のりを経てここにいるのかなんて話もしましたね」。そんなナデリ監督は、西島と出会って間もなくして本作の話をしていたそうだ。「監督は『お前は俺と映画を撮る運命にある』って言ってくれてました」。

しかし、過去の作品を観賞すればわかるが、ナデリ映画の主人公は極限まで追いつめられる。もちろん、監督の作品を観ていた西島にとって、そのことは百も承知だ。「最初に監督からは『お前は確実に地獄を見る。俺のことを本当に嫌いになる。でも出来上がりを観たら俺のことを好きになる』って言われて。実際の撮影現場は僕だけじゃなくて、関わった人全員が“限界以上”を出さないと監督のOKが出ない。撮影中、監督からは『一切、喋るな』って言われました。俳優が役以外の話をするなんてとんでもないって。でも、世界の本気の監督たちはここまで要求するよな、って。そういう場が自分に与えられたことは本当に幸せでしたね」。

ナデリ監督の現場がいかに過酷で、主演を務めた西島がどれだけ追いつめられたかは、完成した映画を観れば嫌というほど伝わるだろう。主人公の秀二は、ひたすら殴られ、傷を負い、血まみれになりながら、自身と愛する映画のために立ち続ける。その姿は、西島自身と重なる部分がある。「才能ある監督が自分の撮りたいものを撮りたいように撮るべきだと思うし、そういう映画をたくさん観たいというのが僕の願い。だから、微力ですけれどもできることは全部やろうと思っています。たまに『これから映画のために闘っていきたいですか?』って聞かれるんですけど『僕も映画に関わっている人もずっと闘っています』ってお答えしているんです。だからこの映画によって仲間が増えて、才能ある監督が自由に撮れる環境になるといいなと思います」。

『CUT』
12月17日(土)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国順次公開

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