――佐江ちゃん、強くなりましたね。

うーん、そうはいってもたくさん泣いたこの1年、やってこられたのは誰よりも、ファンの皆さんのおかげです。AKB劇場で開催させていただいた去年の生誕祭の際に、集まってくれたみんなに「SNH48への移籍でみんなと会う時間も少なくなっちゃうから、”推し変”してもいいよ」ということを伝えました。「推し変」というのはAKB48用語で、好きなメンバーを変えることを言うんですけど。

そうしたら最近、いただく手紙を読むたび読むたび「佐江ちゃん以外に応援したいメンバーが増えました」って、ほとんど全部の手紙に書いてあるんですよ(笑)

――ファンの目がほかに向いているのに佐江ちゃん、笑顔ですね?

今まで佐江しか見ていなかったファンの方が、私の決断や言葉をきっかけにして、AKB48グループ全体を見てくれるようになったことがありがたいなー、うれしいなーって。

――ほかに応援したい人ができたってファンレターで言われて「ありがたい」「うれしい」というのは……まず「寂しい」って感じちゃいそうなものですが。

もちろん、佐江1本で応援してくれるファンもうれしいですよ、佐江推しをしてくださっている皆さんは、自分にとってはすごく特別です。

でもやっぱり、AKB48グループ全体を応援してくれている人も、佐江にとって、またAKB48グループにとって大切だし、自分のことを推してはいないAKB48ファンの方々も大好きで、大事にしなくちゃいけないって思うんです。

――そういえば上海でも似たようなことがあったとか。佐江ちゃんが中国のJ-POP誌の記者さんに「あなたはSNH48で誰推し?」と尋ねたら「佐江推しだよ」という答えが返ってきて、それに対して佐江ちゃんが……

あぁ、「それは違うよ。佐江じゃなくって、SNH48の現地メンバーの中で推す子を見つけてくれなくちゃ」って言いました。だってSNH48を盛り上げるためには自分だけじゃダメじゃないですか。それと同じでAKB48グループがこれからますます盛り上がってゆくためには、私個人ではなく全体のファンを増やしていかなくちゃいけないんじゃないかな。

――それも移籍でAKB48を離れてグループ全体を客観視できたからこそ得られた、この1年で獲得できた視点でしょうか。

そうだと思います。あとはやっぱり、自信があるんですよね、自分のファンの方に。佐江はファンのみんなから自信をもらっているし、だからこそファンのことを常に信じている自分がいる。キモいくらい、ファンのことばっか考えていると思いますよ、私(笑)

――そんなキモさなら、大歓迎じゃないですか?(笑)

私、ほんっとにキッモい! ファンのみんなのこと、考え過ぎてる! これはいい子になりたいとかじゃなくって昔っからなんです。自分もまだ幼い頃、AKB48に入る前ですけど、アイドルを応援していた時期がありました。だから自分がステージに立つ側になって、どういうことをしたらファンのみんなが喜んでくれるかなって、すべてファン目線になって考えることができている。そこが自分のいいところだって思っていますし、そういう経験があってよかったなって。

ファンの気持ちを考えることが、自身のパフォーマンスにつながっている。自分のやりたいことがしっかりファンの皆さんに伝わっていて、それを自分で理解できているから、そういうコミュニケーションが取れていることがすごいなって思う。決して友だちではないのに、なんでこんなに深く、なんでこんなに佐江のことを考えてくれるんだろう? 握手会やステージに立っている時だけで、どうして分かり合えるんだろうって不思議ですけど、強い、固い絆があるんです。

9月10月の握手会も、超楽しみ~♪ みんな待っててねーっ!

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