嫌な事ばかりではない! 心温まるエピソードも

東北から幼い子どもを連れて上京し、右も左も分からない土地のマンションに住むことになったというMさん。

友達が1人もおらず、とても不安だったそうですが、住み始めて1ヶ月くらいした時にマンションのエントランスで1人のママに声を掛けられたそうです。

「私、趣味で洋服やバッグなどを家で作っているの。今度遊びに来ませんか?」

その声が天使のようでした。早速次の日、子どもと一緒に遊びに行ったそうですが、そこは服やバッグ、ソファーカバーやマットレスなどなど手作りのものばかりに囲まれた空間だったそうです。

自分も一緒に作ってみないか、と誘われたので、子どもの園バッグや服など手作りしてあげたら喜ぶし、これを機会にママ友ができたら一石二鳥だと、Mさんはそれ以降、頻繁にお邪魔するようになったそうです。

しかしその行動が地獄の始まりでした。

そのママは自分の趣味の世界に人を巻き込み、稼いでいる人だったのです。「世界にたった1つしかない」と言いながら貴重感を刷り込み、子ども服やバッグを「5,000円でどう?安いでしょ?」と言いながら売りつけてきました。

最初はMさんも、手作りは貴重だし5,000円でも安いくらいかな、子どもとお揃いで着られるなら安いかな、と思っていたそうですが、それは完全なる洗脳でした。

それに気づかせてくれたのが、同じマンションに住んでいた他のママさんだったそうです。

頻繁に出入りしている姿を見ていたらしく、そのママさんも過去に被害にあったようで、これ以上被害者を出したくないとこっそり教えてくれました。

それ以降は手作りママとは少しづつ距離を置き、こっそり教えてくれたママの方と仲良くなっていったそうです。

「ママ友も捨てたものではないな~いい人もいますよ」とMさんは言います。

マイホームは一度購入してしまったら、簡単に替えることが出来ないため、ママ友が原因で「失敗した~」と思っても、ほとんどのママが我慢をして乗り切っていることが分かります。

しかし悪いことばかりではなく、ママ友に助けられたなど良いこともあることから、必要以上に警戒する必要はないかもしれません。

同じような境遇である子育て世代だからこそ分かり合い、支え合い、協力しながら子育てがしやすい環境を作っていけたら良いですね。

みんなが子育てしやすい住みよいマンションとなるよう、心よりお祈りいたしております。

ライター。不動産会社に10年ほど在籍し、賃貸営業、賃貸事務、売買仲介、売買仲介事務、不動産管理営業、不動産管理事務など幅広く経験。現在も不動産会社で勤務しており、おもに賃貸仲介をメインで活動中。好きな言葉は、「根拠のない自信はおおいに結構。それを裏づける努力をするべし」。二児の母でもある。