丸焼きたこせんべいができるまで

タコが続々焼かれている店の裏側では、シンクいっぱいにタコが水に漬けられていた

これは冷凍輸入されたイイダコを解凍、洗浄しているところ。

たこせんべいの原料になるイイダコは季節によって採れる産地が変わり、今の時期はタイやベトナム産だという。

このシンクいっぱいのタコでだいたい240匹くらいになる。

 
解凍されたタコ。塩を抜くため何度も丁寧に手で洗う
タコはしょうゆベースのほんのりピリ辛な味付けがされる
 

見せてもらった工程はすべて手作業、かつシンプル。
そして味つけされたタコはプレス機の待つ店頭へ。
 

粉をまぶされ、てばやくはたかれて
135℃の鉄板に乗せられて
 
1トンの圧力でプレスされる!

立ち上る蒸気と大きな音。既におわかりかと思うがタコは解凍されたものなので、あのキュルキュルという音は「タコの悲鳴」ではなく、水分が蒸発していく音である。

しかしかなりのインパクトである事にかわりはない。

 
せんべいはパリっと仕上げるために2度焼きされる

2分足らずであのタコがプレス機いっぱいに伸され、紙のようにペラペラになっている。

マーブル模様のようになった吸盤が生々しい。

 
二つに切り分けて完成

「プレス機は繁忙期には最大で7台稼働させます。お正月やゴールデン・ウィークなんかはそれでも80人くらい行列ができて1時間待ちになる事もありますね」と米井社長。

原料のタコは平日のような通常期で一日あたり80キロ、多い時には150キロを消費し、年間では約40トンになるという。

「キロ単位だから何匹かって言われても…」というのも納得の消費量だが、タコ1匹を60グラムと換算すると、通常で1300匹以上、多い時には2500匹が一日に使われている事になる。