『スター・トレック イントゥ・ダークネス』に出演したアリス・イヴ

J.J.エイブラムス監督の最新作『スター・トレック イントゥ・ダークネス』が本日から先行公開されている。そこで本作からシリーズに参加した英国人女優アリス・イヴが作品の魅力や、エイブラムス作品を読み解くヒントを語った。

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映画は、様々な星の生命体が共存している未来世界を舞台に、ジェームズ・T・カーク(クリス・パイン)をはじめとする仲間たちがエンタープライズ号に乗り込み、危機に立ち向かう姿を描いたSFシリーズ。『…イントゥ・ダークネス』は、2009年に公開された『スター・トレック』の監督、キャストが再集結した作品で、地球を危機に陥れようとする冷酷な悪役ジョン・ハリソンの脅威にカークたちが立ち向かう姿が描かれる。

本作で彼女が演じたのはキャロル・マーカス。エンタープライズに新たに赴任した科学士官で、応用物理学の博士で兵器に精通している女性だが、その正体は謎に包まれている。もちろん、オリジナルのシリーズを観てきたファンであればその名前に思わずニヤリとするはずだ。イヴは「最初に脚本を読んで思ったことは『エンタープライズの中で一番頭がいいのは彼女だ』ということです。シリーズの中でも重要な役ですし、カークも太刀打ちできない女性。キャプテンのイスにはキャロルが座ってもいいぐらいです」と笑みを見せる。

彼女の分析の通り、キャロルは頭脳明晰で自信にあふれていて、クールな女性だ。しかし、劇中では彼女と父親の複雑な関係が描かれ、キャロルが完全無欠な人間でないことが判明する。イヴはそこにエイブラムス監督の“強いこだわり”を見出しているようだ。「JJはとても家族想いの人ですし、家族関係がその人を定義づけると考えているようです。つまり、彼にとって家族関係を描くことは、そのキャラクターのパーソナリティを描くことなんです。だからこそ、この映画でもキャロルと父親のドラマにこだわったのではないでしょうか」。思い返せば前作では主人公カークや朋友スポックの親子関係が描かれたが、最新作でもエイブラムス監督のドラマ作りの“信念”は貫かれているようだ。

親子の葛藤、葛藤、自己犠牲、友情、男女の愛……本作は未来を舞台にしたSF作品だが、そこに描かれているのは普遍的な人間ドラマで、先ごろ開催されたジャパンプレミアには多くの女性もつめかけた。「クリス・パインやベネディクト・カンバーバッチのファンだという方もいたと思いますが、幅広い層の観客の心を掴んでいるのはJJの才能がなせるワザでしょうね。彼はオリジナルの世界観やドラマを基にしながらモダンなストーリーを重ね、そこに普遍的な愛のドラマを描いています。だから女性の方にもぜひ映画を楽しんでもらいたいですね。日本の女性は知的で洗練されていますが、私が演じたキャロルもまた洗練されたキャラクターです。そこもぜひ観てもらえたら、と思います」。

『スター・トレック イントゥ・ダークネス』
8月23日(金)より、TOHOシネマズ日劇ほかで公開
※8月16日(金)、17日(土)、18日(日)先行公開あり