中谷美紀、三谷幸喜演出の家族劇で「愛を渇望するヒロインに共感」

2013.8.16 22:43配信
中谷美紀  撮影:舞山秀一 ヘアメイク:倉田明美 スタイリング:島田美奈子(THYMON Inc.) 衣装:ブラウス/HELMUT(リンク・セオリー・ジャパン) 中谷美紀  撮影:舞山秀一 ヘアメイク:倉田明美 スタイリング:島田美奈子(THYMON Inc.) 衣装:ブラウス/HELMUT(リンク・セオリー・ジャパン)

三谷幸喜がこの秋、ニール・サイモン作『ロスト・イン・ヨンカーズ』を演出、上演する。演劇人生を歩むきっかけとなった劇作家ゆえにサイモン作品の演出を封印してきた三谷が、PARCO劇場40周年のアニバーサリーに向けて一念発起。ピューリッツァー賞に輝いた珠玉の家族劇を構築する。厳格な母親に育てられた4人の兄妹たち、それぞれが自身の葛藤に懸命に向き合うさまを笑いとペーソスで綴る物語の中で、次女のヒロイン・ベラを演じるのは、一昨年の初舞台『猟銃』以来の舞台出演となる中谷美紀だ。「笑いの中に哀しみがあり、シニカルな視点もけっして厳し過ぎずにクスリと笑える柔らかなアイロニーとなっている。そんな、人間を多面的に描く三谷作品の世界が好き」と語る中谷に、女性としての幸せを渇望する娘、ベラ役に挑む心境を聞いた。

舞台『ロスト・イン・ヨンカーズ』チケット情報

「ベラは少々発達が遅れた女性で、明るく無邪気でいながら、人から愛されることを激しく求めています。人は誰しも社会や自分自身が設けた枠にはまろうとして無理をしていると思うんですが、ベラもそう。母親の世話をする従順な娘であることを期待されますが、彼女の中にも心の闇はあるんですよね」

母親に真っ向から対峙し、愛を求める生き方を強く訴えるベラの姿に「期待の殻を破ろうとするところに共感を覚えます。私も必要のない枠を設けて生きてきたな……と思うことがありましたから」と自らを振り返る。その枠を取り払えたのは『猟銃』の経験があったから、と言葉を続けた。

「苦手だと怖れていたことも、ちょっと意識を変えるだけで簡単に飛び越えられる。変化や不確実なものを楽しめたら人生は広がるんだなと気づきました。実を言うと、前回の『猟銃』では日々身を削るような感覚で演じていたので、もう一度舞台に上がることを怖れていた気持ちもあったんです。でもやっぱりここで学ぶべきだろうと。三谷さんの要求がどんなに難しくても、その挑戦が自分の喜びに変わるのを想像できますので。共演の方々とともに表現のキャッチボールや笑いの呼吸を学ばせていただきたいです」

厳格な母親ミセス・カーニッツ役を、1992年の日本初演時にも同役を演じた草笛光子が扮することにも注目したい。またギャングの子分である次男ルイ役に松岡昌宏が挑戦。長女ガート役に長野里美、長男エディ役に小林隆が扮し、浅利陽介と入江甚儀が演じる長男の息子たち、ジェイとアーティの視点で物語は進行する。

「家族には近いがゆえの愛憎というものがありますよね。今目の前にいる家族に対してどれだけ愛情を示せるか、あるいは愛情を受け取れるか。皆さんの代弁者となって、舞台の上でこの問題に向き合っていけたらと思います」

10月5日(土)からの東京公演を皮切りに、福岡、宮城、大阪、愛知、神奈川で上演。東京・神奈川公演のチケット一般発売は8月17日(土)より。

いま人気の動画

     

人気記事ランキング