『アップサイドダウン 重力の恋人』

ジム・スタージェスとキルスティン・ダンストが共演する異色のラブ・ファンタジー映画『アップサイドダウン 重力の恋人』が9月7日(土)から公開される前に本作で“上下逆さま”の世界を作り上げたプロダクション・デザイナーのアレックス・マクダウェルのインタビュー映像が公開された。本作の舞台は、重力が反対に作用するふたつの惑星で、一方から上空を見上げれば、もう一方の惑星の街の灯りが見えるほどの距離に位置している。しかし、それぞれの立場は大きく異なっており、“下の世界”は貧困問題に苦しんでおり、富裕層が暮す“上の世界”は下の世界の燃料を不当に搾取して豊かな暮らしをおくっている。映画は、下の世界に暮す青年アダム(スタージェス)と上の世界に暮すエデン(ダンスト)の恋を壮大なスケールで描き出していく。

アレックス・マクダウェル インタビュー映像

マクダウェルは、超大作を数多く手がける美術監督のひとりで、『マン・オブ・スティール』や『マイノリティ・リポート』『ファンタスティック Mr.FOX』『TIME/タイム』など独創的な世界を次々にデザインしてきた人物だ。マクダウェルは「現実の世界に似た2つの世界というアイデアをデザインするのは、最高のチャレンジだよ。政治的、社会的含みがあるのも面白いと思ったね。マジックやおとぎ話のような世界だが、非常にシンプルな含みが中心にある。美しくてとても魅力的な作品だと思えた」と振り返る。

マクダウェルが本作で描き出した世界は彼の言葉の通り、現実の街並みをベースにしていながら、どこか幻想的で、細部まで緻密にデザインされた世界だ。劇中ではそんな街が画面の“上下”に存在し、それぞれの時を刻んでいる。「面白いのは、重力が逆さになると、上下逆になるだけでなく左右も逆になること。だから3Dモデルで常にチェックしないといけない。それぞれ別々に撮影するが、あとで完璧に合わせないといけないんだ」。時には天井を“床”に見立てて、すべてが“逆さま”になったセットを用意する場面もあった。「巨大なシャンデリアも吊り下げるのではなく、吊り上げないとダメだから、構造上の問題があった。だから実際に何千ものクリスタルを逆さに取り付けたんだ」。

本作では近くにいるのになかなか近づけない男女が主人公のラブ・ストーリーだが、その背後に広がっている“上下逆さま”の世界は圧倒的なインパクトを放っており、多くの観客を魅了するのではないだろうか。

『アップサイドダウン 重力の恋人』
9月7日(土) 角川シネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー

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