堀北真希

映画『麦子さんと』の完成披露試写会が29日に都内で開催。主演の堀北真希と吉田恵輔監督による舞台あいさつが上映前に行なわれた。

その他の写真

激賞された『さんかく』(2010年)をはじめオリジナル脚本の魅力あふれる作品で注目を集める吉田監督による本作。和解を果たせぬままにかつて自分を捨てた母と死別した主人公・麦子が母の故郷を訪ねる中で母の人生を知り、これまで抱えていた母への憎しみとは違う感情に気づいていくさまを描く。

堀北は「お母さんって近い存在のようで、実はよく知らないかもしれないと思いました」と劇中の麦子の旅路を通して母親に思いをはせたと明かす。構想から8年をかけて本作を完成させた吉田監督は「感無量」と感慨深げ。「一番に母に観てもらいたかった」と語るが、クランクインの直前に監督のお母さんは亡くなられたそうで「いまは後悔の塊です」と悔恨を口にした。

母の故郷を尋ねた麦子は、かつて母が町のアイドルだったこと、彼女が母の若かりし頃と瓜二つであることを知り驚くが、町は30年前のアイドルの“再来”にわき立つ。麦子、そして母親の若い頃の役を堀北にオファーしたことについて監督は「脚本を書いたとき、まだ引き受けてもらえるか分からないのに勝手に(イメージで)堀北さんが動いていた」と説明。「アイドルだった女性を30年、忘れられない大人たちの物語ですが、30年忘れられない女性って誰か? と考えたら、僕が執着している堀北さんしかいないと思った」と堀北への熱烈な思いを明かした。

また麦子の兄をNHKの連続テレビ小説「あまちゃん」でも人気の松田龍平が演じているが、この組み合わせについても監督は「(堀北と松田の)ふたりが一緒にいたら気持ち悪い雰囲気になるんじゃないかと思い、放り込んだ」とニヤリ。堀北は「独特の雰囲気を持ってらっしゃる」と松田の印象を語り、「兄妹の関係性、ふたりでいるときのクスッと笑ってしまうような空気感が出来上がればいいなと思いながら臨みました」と振り返った。

『麦子さんと』
12月21日(土)より、ロードショー