通信障害への対処を説明する田中社長

KDDIは、9月2日、記者会見を開き、4月末から5月末にかけて発生したLTE通信障害について、対処が完了したと発表した。

今年4月27日と5月29日から30日にかけて、iPhone 5など、auの4G LTE対応機種でデータ通信・音声通信サービスが利用できない、または利用しづらい状況が発生した。影響を受けたユーザーは、それぞれ最大約59万、約56万、約64万に上った。5月29日はデータ通信サービスだけではなく、音声通信サービスにも影響し、9時30分~12時22分の2時間52分にわたって、3Gを含むau関東契約の一部のユーザーで、音声通信サービスを利用できない、または利用しづらい状況が発生した。

この通信障害は、LTE基地局制御装置(MME)ソフトウェアのバグによるもの。田中孝司社長は、「バグの対処は前倒しして8月中に完了している。MMEも6月10日時点の約3倍に増設した」とソフトウェアとハードウェアの両面で対処が完了したことを強調した。

通信障害の対処が一段落したことを受け、田中社長は「ネットワーク強化のフェーズに入った。この夏も、お客様の満足度向上のために、全国約370イベントでトラフィック対策を実施した。その一例として『コミックマーケット』でライトノベルのキャラクターを描いた移動基地局を出動したり、リュックに機器を背負った「人間Wi-Fi」を派遣したりした」と説明した。

今後はLTE対応エリアの拡大をさらに進め、8月末現在で97%だった実人口カバー率を2014年3月末には99%に引き上げる計画であることを明らかにした。