(左から)是枝裕和監督、撮影監督を務めた瀧本幹也氏

今年のカンヌ映画祭で審査員賞を受賞した『そして父になる』の公開を前に3日、東京・アップルストア銀座でトークイベント「Meet the Filmmaker」が開催され、メガホンを執った是枝裕和監督と撮影監督を務めた瀧本幹也氏が出席した。

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本作はある日突然、自分の子どもが病院で取り違えられたという事実を突きつけられた親の姿を通して、家族愛と絆を問いかけるヒューマンドラマ。福山雅治が主人公の父親役を務め、その妻を尾野真千子が、子どもを取り違えられてしまったもうひと組の夫婦をリリー・フランキーと真木よう子が演じる。

第37回モントリオール世界映画祭で最優秀芸術貢献賞を受賞した『利休にたずねよ』をはじめ、現在、国際舞台での活躍が目覚ましい日本映画。その先陣を切って、カンヌで栄冠を勝ち取った是枝監督は「カンヌは映画を作る人へのリスペクトがちゃんと演出されている。褒められてうれしい、というだけじゃなく、身が引き締まる思いがする」と振り返り、早くもハリウッドリメイクが噂される『そして父になる』を「作って良かったなと思える作品」だと語った。

瀧本氏は広告の世界を中心に活躍するフォトグラファーで、「トヨタReBORN大河シリーズ」や「サッポロ黒ラベル大人エレベーター」などの撮影を手掛けるほか、是枝監督作品『空気人形』のスチールも担当している。今回、是枝監督からの大抜擢を受け、初めて映画作品の撮影監督を務め、「自分にとって映画の仕事は“禁断”な感じで、やってしまうとのめりこんでしまうことが自分で分かっていた。アウェイ感もあったが、やってみると案の定、面白すぎる」とその魅力に、ハマってしまった様子だ。

是枝監督の演出については「事件が起こるのを期待しているというか、予定調和では満足せず、なかなかカットがかからないことも」(瀧本氏)。当の是枝監督は「自分で台本を書いて、現場に臨むが、台本通りだとOKって言いたくなくなる。あまのじゃくなのか、別の何かが生まれないかと欲が出てしまう」と自己分析した。

『そして父になる』
9月28日(土)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
9月24日(火)~27日(金)全国先行ロードショー

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