Bitcoin、日経平均株価、NYダウの値動き

仮想通貨で最も代表的なBitcoin(ビットコイン)は2017年に「大化け」。1月4日の終値(13万0010円)を1とした指数を見ると、最高値の12月17日では17.0(221万4558円)まで跳ね上がった。しかしこれがピークで、今年に入って5.0(65万2592円)まで急落。とりあえず一相場終わった感がある。

投機対象の間は、通貨としては機能できない

同じく1月4日を1とした指数で日経平均株価やNYダウの動きを重ね合わせてみると、値動きの違いが一目瞭然。1年かけてジリジリと上昇してはいるが、動きは極めて地味。ビットコインの動きに比べればほとんど動いていないような形になっている。これが主要通貨の為替相場ともなると、凪(なぎ)の湖面のように値動きの幅はもっと小さくなる。

NYダウの終値が前日比で-1175.21ドルと過去最大の下げ幅を記録し、大きなニュースになった2月5日。翌日の日経平均株価も前日比-1071.84円とこの1年で最大の下げ幅を記録した。変動率は-4.60%と、実はNYダウより大きく下落している。とはいえ、値動きの幅は数%に過ぎない。同じ日、Bitcoinは-25.5%と大幅に下落。しかしこれが底値になり、翌日は31.8%と下落幅を超えて戻している。まさに「ジェットコースター」だ。

そもそも仮想通貨は、送金手数料が安く抑えられ、運用コストが小さい次世代の決済手段として期待されている。しかし、現状はまだ価値が定まっておらず、投機の対象としてもてあそばれている状態だ。いくら激しくても、1日の値動きが数%程度に収まるほど、地味な存在にならなければ、本来の通貨としての役割を果たすことはできないだろう。それまで何年もの期間を要するようであれば、「通貨」としての役割を果たすことは難しいだろう。(BCN チーフエグゼクティブアナリスト 道越一郎)

※『BCN RETAIL REVIEW』2018年3月号から転載