中村獅童  撮影:井出 絵里奈 中村獅童  撮影:井出 絵里奈

歌舞伎役者の中村獅童が、2004年の『丹下左膳』、2006年の『獅童流 森の石松』以来、3度目の新橋演舞場座長公演を行う。その題材は、アレクサンドル・デュマ原作の『三銃士』。今回は豊臣から徳川に変わる日本の戦国時代に設定を変え、『大和三銃士 虹の獅子たち』として壮大なる歴史エンターテインメントに仕上げる。そこで獅童に、作品にかける現在の思いを訊いた。

舞台『大和三銃士 虹の獅子たち』チケット情報

舞台は、関ヶ原合戦から13年後の大坂。獅童が演じるのは、豊臣家再興を画策する花鶏織部(あとりおりべ)で、原作では三銃士の中のリーダー格であるアトスに当たる。そんな織部役について獅童は、「剣豪で非常に強いんですが、内面はナイーブで繊細でもある。そういった部分を、うまく出せたらなと思います」と語る。

獅童と同じく三銃士役には、アラミスに当たる花輪嵐(はなわあらし)をジャニーズJr.の濵田崇裕が、ポルトスに当たる蓬莱万十郎(ほうらいまんじゅうろう)を藤井隆が演じる。また三銃士と固い友情で結ばれる若者・ダルタニアンに当たる達磨桃太郎(だるまももたろう)役として、早乙女太一が出演。この豪華かつ、異色の顔合わせに、獅童も「楽しみですよね」とニヤリ。「これだけジャンルを飛び越えた、個性的な人たちが集まっているわけですから。“時代劇”という枠に囚われることなく、それぞれの個性が生かされれば、かなり面白いことになるなと。そして今までになかったような、いい意味での化学反応が起こればいいなと思います」

そんな個性的な顔ぶれの中、獅童が特に気になっているのが、近年舞台出演も多い藤井。「すごく嬉しいんですよね、藤井さんとの共演。笑いどころとしては、相当藤井さんが持っていくと思いますよ。またこれから稽古場で、どんどんアイデアも生まれ出ていくでしょうし。ただ心配なのは、本番で藤井さんの顔を見た時に笑っちゃうんじゃないかってこと(笑)。だってチラシの藤井さんの写真、なんかニセモノのフレディ・マーキュリーみたいでしょ?(笑)」

また獅童の要望により、殺陣シーンがふんだんに盛り込まれているのも、本作の売りのひとつ。「やっぱり日本の時代劇の一番の魅力って、殺陣だと思うんです。その楽しさを、チャンバラを知らない若者や小さなお子さんなど、幅広い層の方に知っていただけたらなと。そして舞台はやっぱり“生”で観るのが醍醐味ですから。ぜひ劇場で、全身全霊でぶつかっていく僕たちのエネルギーを感じていただきたいなと、強く思っています!」

公演は10月3日(木)から27日(日)まで。なお、10月24日(木)公演終了後に中村獅童トークショー実施決定。公演鑑賞後、トークショーにも参加でき、お弁当もついたお得な「トークショー付き1等席」は、通常1等席と同価格にて販売中(予定枚数終了次第、販売終了)。

取材・文:野上瑠美子