エル・システマ・ユース・オーケストラ・オブ・カラカス エル・システマ・ユース・オーケストラ・オブ・カラカス

世界が注目するベネズエラの音楽教育システム「エル・システマ」の若きオーケストラ、「エル・システマ・ユース・オーケストラ・オブ・カラカス」が、今秋10月に初来日。日本とベネズエラの外交樹立75周年を記念し、東京芸術劇場で「エル・システマ・フェスティバル 2013 in TOKYO」を開催する。

「エル・システマ・フェスティバル 2013 in TOKYO」の公演情報

1975年に始まった「エル・システマ」(青少年・児童オーケストラ全国制度)とは、音楽教育を通じて貧困層の子どもたちの成長をサポートするベネズエラの国家プロジェクトだ。主に貧困に喘ぐストリート・チルドンレンたち(麻薬密売や強盗の経験者も多数)に対し、無償で楽器提供や音楽指導を行い、集団での音楽体験をはじめ様々な教育的サポートを通じて、非行や犯罪から守るという画期的な試みだ。現在、人口2600万人のベネズエラには全国約300の音楽教室が設立。約33万人もの子どもたちが通っており、プロジェクトは国内各地まで普及している。また、指揮者のグスターボ・ドゥダメル(現・ロサンジェルス・フィル音楽監督)、コントラバス奏者のエディクソン・ルイス(ベルリン・フィル)など、多くの優れたアーティストも輩出しており、世界的に高い注目と評価を集めている。

日本に「エル・システマ」の名が大きく轟いたのは2008年。エル・システマに属する125のオーケストラから選抜されたトップ奏者で構成される「シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラ」が、初の日本公演を開催。ユース・オケとは思えない優れた演奏能力、音楽性が大きな話題となった。

その「エル・システマ」旋風から5年、シモン・ボリバルの一世代下にあたる14歳から22歳までの計175名の若者たちで構成された「エル・システマ・ユース・オーケストラ・オブ・カラカス」の初来日が実現。今年のザルツブルク音楽祭にも出演するなど、すでにその評価は世界が認めるところ。10月10日(木)から12日までの3日間、「エル・システマ・フェスティバル 2013 in TOKYO」と題して、東京芸術劇場でコンサートの他、ワークショップや展示会、シンポジウム、マスタークラスなどを開催する。有料公演のチケットは発売中。

また、東京公演のほか、10月8日(火)には広島文化学園HBGホールでコンサート、10月14日(月・祝)には千葉県文化会館にて千葉県少年少女オーケストラとの交流コンサートを開催する。