大久保嘉人(川崎フロンターレ)  (c)J.LEAGUE PHOTOS 大久保嘉人(川崎フロンターレ)  (c)J.LEAGUE PHOTOS

9月7日(土)、『2013 Jリーグ ヤマザキナビスコカップ』FINALの切符を賭けたホーム&アウェイ戦がいよいよ開催される。川崎フロンターレ×浦和レッズの『ナビスコ杯』準決勝は、まず等々力陸上競技場で初戦がキックオフ。

川崎×浦和の戦いは、両軍がどのような戦い方に出るのかが勝敗の鍵となる。J1リーグ戦最多得点は川崎の48点、2位は浦和の46点である。両チームの「超攻撃型サッカー」へ賭ける信念は本物だ。『ナビスコ杯』準々決勝の結果を見ると、初戦・アウェイで2-0、第2戦・ホームで1-1とセレッソ大阪を下した浦和に対し、川崎はホームで2-1と先勝しながら、翌週のアウェイでも3-2とベガルタ仙台を攻め倒すなど、「超攻撃主義」を貫く。

事実、夏場の連戦を機に浦和・ペトロヴィッチ監督はリスク回避のロングボール多用やカウンター狙いなどを徹底し、細かいパス回しが連続するポゼッションサッカー一辺倒から脱却した。ゆえに、浦和はリーグ戦首位に勝ち点1差の2位につけ、最多得点の川崎は首位に勝ち点11差の7位に甘んじている。

もちろん、川崎が「パスサッカー」の十字架に縛られているわけではない。7月のJ1リーグ16節・浦和戦では、4-0の快勝劇を見せた。ホームの川崎は浦和の激しいプレスを軽快なパスワークでかいくぐると前半を3-0で折り返す。後半に入ると相手の猛攻に耐えながらカウンターで決定機を作り、大久保嘉人の通算100点目となるゴールでジ・エンド。風間八宏監督が「スペースではなく足元を狙えば、距離が少なくなるので丁寧にやろうと伝えた。今日は選手たちが忠実にプレーしてくれて、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた」と胸を張れば、ペトロヴィッチ監督は「私が浦和の監督に就任してから、最も悪いゲームだった。我々が負けるべく試合内容でした」と悔しさをにじませた。

両軍の日本代表選出は、追加召集となったDF・槙野智章のみ。川崎にとって、中村憲剛が招集されなかったのは朗報だ。中村がいるといないとでは、川崎の攻撃の迫力が変わってくる。

そう、川崎には打ち合い上等の破壊力がある。嵩にかかった波状攻撃はなかなか止められない。浦和も攻撃力では引けを取らない。興梠慎三、柏木陽介、原口元気の1トップ2シャドーだけではなく、MF・阿部勇樹、DF・森脇亮太、那須大亮など、どこからでもゴールを陥れるバリエーションがある。J1リーグ戦で3試合1-0の勝ちがある浦和に対し、川崎は『ナビスコ杯』を含め32試合戦いながら1-0で取ったゲームはない。

9月7日(土)も川崎は超攻撃型を崩さないだろう。では、アウェイに乗り込む浦和は2試合を睨んだ守備的な入りをするのか、打ち合いを受けて立つのか。『ナビスコ杯』準決勝第1戦は、アウェイチームの出方に注目したい。チケット発売中。