ハマれば面白かった『スターマン』

日テレ系の『斉藤さん2』は、『ショムニ2013』と同じような続編のつくり方をしてしまった感じ。前作と同じようなキャラクター配置にしたものの見せ方が大げさすぎて、各回の前半はかなり見るのがしんどかった。元ももクロの早見あかりが出演したというのが目立ったトピックか……。

期待度ランキングで6位だった織田裕二主演の『Oh,My Dad!!』は、初回だけ13.3%と2ケタの視聴率を記録したが、あとは1ケタ続きで人気がでなかった。肝心の父子のエピソードが序盤はありふれていたし、ダメ親父の見せ方にも工夫がなかったと思う。まあ、ドラマ放送中に織田裕二も裏番組の世界陸上に出ていたりしたしな……。

最後に、放送前の期待度ランキングが11位で、平均視聴率も8%台とパッとしない『スターマン・この星の恋』だが、個人的には妙に気に入っている。前作の『泣くな、はらちゃん』で漫画の登場人物が現実の世界に現れるというファンタジーを描いた岡田惠和が、今度は3人の子どもを持つシングルマザーが地球に来た宇宙人と恋をする話を書いている。

その設定だけで拒否反応を示す人も多いだろうが、意外とピュアなラブストーリー、かつ楽しいホームドラマで、ハマるとなかなか面白い。福士蒼汰が演じる星男が地球に来る前から、ほかの宇宙人が普通に地球で暮らしていたという設定も岡田惠和らしくて良かった。『あまちゃん』メンバーからは、福士蒼汰だけでなく、若き日の春子・有村架純も出ていて、彼女の設定も抜群に面白かった。
 

 

 

あと、このドラマの主題歌は、YUKIがドラマのために書き下ろした曲が使われていて、今期のドラマのなかではいちばん作品の雰囲気と合っていると思う。堤幸彦が監督をする作品はいつも音楽が良いけど、このドラマでは大橋トリオが音楽を担当し、デビット・ボウイの『Starman』もカバーするなど、挿入歌も凝っている。
好き嫌いはハッキリ分かれる作品だけど、これは素直に楽しんだもん勝ちのドラマだった。

 

 

たなか・まこと  フリーライター。ドラマ好き。某情報誌で、約10年間ドラマのコラムを連載していた。ドラマに関しては、『あぶない刑事20年SCRAPBOOK(日本テレビ)』『筒井康隆の仕事大研究(洋泉社)』などでも執筆している。一番好きなドラマは、山田太一の『男たちの旅路』。