国際ビジネスコミュニケーション協会IIBC(IIBC)が実施した「訪日外国人への接客に関する実態調査」の調査結果から、気になるデータを2回に分けて紹介する。 日本政府観光局(JNTO)は推計による速報値として、2018年1月16日に、2017年の訪日外国人は前年比19.3%増の2869万だったと発表。今回の訪日外国人への接客に関する実態調査は、20代以上の接客業に従事する男女500名を対象にインターネット上で実施した。

約3割の接客担当者が1か月10人以上の外国人を接客

まず、飲食店や小売店などの店で、1か月にどれくらいの外国人を接客しているかたずねると、約3割が「10人以上」と回答した。

約半数の49.6%が「会社/お店で用意していることはない」と回答した一方で、31.6%は「定型文が書かれた資料」、29.0%は「外国人が見てわかりやすいイラストや写真」、14.6%は「翻訳機」を用意していると回答。複数回答で17.6%は、「定型文が書かれた資料」「わかりやすいイラストや写真」の両方を用意している。

外国人を接客するために個人的に用意しているものをきくと、「個人で用意していることはない」が半数以上(51.4%)を占め、実際に用意しているものも「ノートとペン」(29.0%)、「接客用の簡単な英語が書かれたメモ」(24.6%)、「タブレット・スマートフォンに翻訳アプリを入れる(23.2%)」などに分散した。

英語で外国人の接客をする必要性がある場合に、会社/お店に対する要望をきくと、「英会話研修」がもっとも多く(49.6%)、「単語帳や接客で必要最低限の英語の資料を配布する」(43.8%)、「英語能力で給料が上がる制度」(33.2%)が続いた。

また、穴埋め式で、英語でコミュニケーションできるようになるために必要なことをたずねると、「英語で話す場」が500人中247名(49.4%)と、大差で1位となり、2位は「英語を勉強する時間」(17.2%)、3位は「英語能力で給料が上がる制度」(10.2%)だった。

この調査結果から、外国人の接客という英語で話す場に直面しているが、さらに話す場の必要性を意識しているとうかがえる。英語習得の目標やモチベーションとして、人事評価・能力評価制度が期待されていることもわかった。