右側の白いボディが「THETA」。中央がシャッターボタンで、あとは側面に二つボタンがあるだけ。左側のスマートフォンに写っているのが撮影した画像

【ドイツ・ベルリン発】リコーは、IFA 2013の開幕を翌日に控えた9月5日、ドイツ・ベルリンのIFA会場で、上下左右360°の画像をワンショットで撮影できる新しいコンセプトのカメラ「RICOH THETA(リコー・シータ)」を発表した。10月に専用ウェブサイトでフランス、ドイツ、イギリス、アメリカ向けに発売する。税抜き価格は399米ドル。日本での発売時期や価格などは未定。

魚眼レンズを背中合わせに取りつけた手にひらに収まるわずか95gの超小型ボディ。操作ボタンは三つと極めて少なく、撮影した画像を確認するモニタもないシンプルな構造だ。Wi-Fi経由でスマートフォンに画像を転送して画像を活用する。無償の専用アプリで写真の閲覧ができるほか、画像サイズや構図などを自由に変えながら写真を楽しめる。専用のウェブサイトにアップロードした画像は、FacebookやTwitterといったSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などで共有することができる。対応スマートフォンは、いまのところiOS 6.0以上を搭載したiPhone 5/4Sで、今年中にAndroid版アプリも公開する予定だ。

撮影はとても簡単で、シャッターボタンを1回押すだけ。二つの魚眼レンズで瞬間的に上下左右360°を撮影する。姿勢センサがついているので、どんな角度でシャッターを押しても自動的に補正。あとはスマートフォンに転送して、自由自在に写真を触りながら楽しめる。あらゆる角度の写真が一度に撮影できるので、構図を考える必要はない。「世界を切り取る」という写真の概念を覆すまったく新しい製品だ。

製品発表会で、リコーイメージングの赤羽昇社長は「カメラは、実務的デバイス、楽しむためのデバイス、芸術のためのデバイスの三つに分けられるが、THETAは二つ目の楽しむデバイス、イマジネーションを広げるデバイスとして位置づけている」と語った。また、開発を担当したリコー総合経営企画室の生方秀直室長は、「SNSなどの普及で、写真と感動を分かち合う機会が増えた。THETAは、その際に自分や相手、またそれらすべての環境を誰かと共有できる撮影機として開発した」と開発のきっかけを話した。

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