IFA 2013会場のメッセ・ベルリン

【ドイツ・ベルリン発】世界最大級の家電総合見本市、IFA 2013が、現地時間の9月6日、ドイツ・ベルリンのメッセ・ベルリンで開幕した。約15万m3の展示スペースに、約60か国から1500社が出展する。9月11日までの会期中に、およそ24万人が来場する見込みだ。

今年の目玉は「UHD(ウルトラハイビジョン=4K)」。世界の家電メーカーがこぞって4Kテレビの最新モデルを展示し、来場者の注目を集めている。HD(ハイビジョン)が一般的になった現在、4倍の細かさで表示する高精彩画面のUHDが、テレビの新たな付加価値として注目され、各社とも今後の柱として力を入れている。「大型化」と「小型化」が同時に進行し、有機ELモデルの展示も目立った。

大型化では、韓国のサムスンが「世界最大」の110型UHDテレビを展示する一方で、中国のTCL集団やハイセンスなども同様に「世界最大」の110型の液晶テレビを展示、大きさを競っている。また、有機ELの大型UHDモデルの出展も目立った。

小型化も進みつつある。本来、UHDは大画面で高精映像を楽しむものだが、比較的小型のディスプレイで表示しても、リアリティや高い質感が実感できる。さらに、小型になればなるほど、紙に印刷されたものを見るような自然な質感が得られる。東芝は、今回、50型のUHDテレビを参考出品。発売時期や価格は未定だが、欧州や日本のように、それほど広くないリビングで楽しめるUHD製品として投入する予定だ。

パナソニックが開発した20型Windows 8.1ベースの20型タブレットも、パネルはUHDだ。法人向け製品の「タフパッド」シリーズから、12月に発売する予定。20型の画面で見るUHDは強烈なリアリティと立体感が感じられる。当面は法人販売が主になるというが、一般向け製品の展開にも期待したいところだ。

このほか、スマートフォンでは「ソニーの技術を集約した」と平井社長が胸を張る「Xperia Z1」や、サムスンの「GALAXY Note 3」などの新製品が登場。サムスンからは、以前から噂に上っていたスマートウォッチ「GALXY GEAR」も発表された。また、小型のビデオカメラ、いわゆるアクションカムの出展も目立ち、本格的なモバイル製品の広がりとともに、身につけて使うウェアラブル製品に拡大の予兆が感じられた。(道越一郎)