(左から)松本零士氏、ベルトラン・フォール氏(フランス大使館文化参事官)

先週末に封切られ、大ヒット“航海”中の長編アニメーション『キャプテンハーロック』の公開を記念し、原作総設定を務める松本零士氏が12日、東京・新宿区のアンスティチュ・フランセ日本で、ベルトラン・フォール氏(フランス大使館文化参事官)と対談を行った。

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松本氏はフランスへの文化貢献が認められ、2012年にフランス芸術文化勲章“シュヴァリエ章”を授賞。フランスではアニメ放送当時に視聴率70%を記録するという一大ブームが巻き起こったことがあり、「キャプテンハーロック」を見て育った“アルバトール世代”(アルバトール=仏語でハーロックの意)が数多く存在するなど、ゆかりが深い。この日は、アルバトール世代代表としてフォール氏が、松本氏の画業60周年を記念し、60年もののワインを贈呈した。

松本氏は「私が漫画家としてデビューした時に生まれたワインですね。ここに自分の60年間の青春全てが詰まっている気がして、本当に素晴らしいものをいただいたと思います。それでも、まだまだ頑張らなきゃいけません。夢の船にのって、第二の新しい船出が始まったばかり。ドクロの旗を掲げている以上、泣き言は言いません」と大感激の様子。一方、フォール氏は「一番の魅力は、作品の根底に流れる騎士道です。ヨーロッパに古くから存在する騎士道が、SFの世界と融合し、非常に楽しい作品だと思います。また、正義のために戦う姿も魅力のひとつです」と話していた。

また、話題が2020年の東京オリンピックに及ぶと、フォール氏は「松本先生が東京オリンピックで大きな役割を果たしてくれたら、非常に良いと思います。ハーロックの普遍性によって、国境を超えて人々が交流できるはず」と期待。松本氏も「(開会式の演出は)ぜひ手掛けたいと思いますが、こればかりは依頼がないと…(笑)。もしお声がかかれば、一生懸命に何でもやりますよ」と7年後の“未来”に胸躍らせていた。

『キャプテンハーロック』
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