『ゼロ・グラビティ』(C)2013 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC

サンドラ・ブロックとジョージ・クルーニーが共演する映画『ゼロ・グラビティ』が予告編が3本一挙に公開された。3本を続けて観るとひとつのドラマができあがる内容だが、その1本1本に圧倒的な映像がつまった衝撃的な予告編だ。

『ゼロ・グラビティ』予告編

本作の舞台は地上から600キロメートル上空の宇宙空間。そこではスペースシャトルが地球を周回しており、メディカル・エンジニアのライアン・ストーン博士(ブロック)とベテラン宇宙飛行士マット・コワルスキー(クルーニー)が船外でミッションを遂行している。最初の予告編の“衝突編”では宇宙空間から惑星の破片が飛来し、ミッションの中止が告げられる場面から始まる。本作を手がけたアルフォンソ・キュアロン監督は前作『トゥモロー・ワールド』で驚異的な長まわし映像を実現し、映画ファンの度肝を抜いたが、この予告編も破片の接近から衝突、クルーの混乱、ストーン博士が宇宙空間へと放り出されるまでの95秒間がワンカットで描かれる。カメラが自由自在に動き回り、観る者に“浮遊感”を感じさせる映像は圧倒的だ。

続く予告編“漂流編”では、漆黒の闇に放り出されてしまったストーン博士の主観から始まる。残り酸素はわずかで、無重力空間では腰を落ち着ける“地面”すらない。パニックに陥る彼女の様子が少しずつ映像の緊張感を高めていく演出が大きな見どころだ。この映像も彼女の主観から始まり、カメラが宇宙服のバイザーを通過して空間を漂う彼女を捉えるまでがワンカットで描かれる。

最後の予告編“絶望編”は前2作と変わって、短いカットをつなぎあわせて観客にスリリングな体験をさせる内容だ。何とかロープで身体をつないだストーンとコワルスキーは破損したシャトルにつかまろうとするが、無重力空間の中で思うように身体が動かず、悪戦苦闘する。爆発も起こらない、血も流れない……ショッキングな描写はひとつもないのに、思わず画面から目を背けたくなる緊迫した瞬間がこれでもかと出現する。

3本の予告編は“絶望”を提示した段階でプツリと終了するが、映画ではこの後ふたりが、助けの声さえ届かない宇宙で、必死に生き延び、生還しようとするドラマが描かれるという。

『ゼロ・グラビティ』
12月13日(金) 全国ロードショー
※3D/2D同時公開