齋藤学(横浜F・マリノス)  (c)J.LEAGUE PHOTOS 齋藤学(横浜F・マリノス)  (c)J.LEAGUE PHOTOS

9月の日本代表2連戦では、ふたりの若きアタッカーの立場が明確になった。柿谷曜一朗と齋藤学のことである。

チケット情報「9/14(土)横浜F・マリノス対セレッソ大阪戦」

9月6日のグアテマラ戦では先発の座こそ大迫勇也に譲ったものの、柿谷は後半開始から1トップに収まると、10日・ガーナ戦では1トップにスタメンで出場。後半30分までピッチに立ち、大迫と交代した。ゴールこそなかったが、長らく代表に名を連ねたようなコンビネーションを見せ、決定機を作った。グアテマラ戦後、本田が「今までの日本代表のFWは高さがあってもあまり足元を得意ではなかったり、逆にすごい足元がうまくても得点を上げられなかったりしたけど、曜一朗はすべてを兼ね備えている感じがする。彼のポテンシャルはまだまだ計り知れないし、まだ2試合というのが嘘みたいにチームに溶け込んでいる。どこでボールを受けたらいいのか、どこで動き出しをすればいいのか、ほとんど理解している」と絶賛したほど。

しかし、当の本人浮かれた色はない。柿谷はガーナ戦後、「この程度と言うと相手に悪いが、もっと上を目指すなら、この程度のプレッシャーの試合はミスなく、しっかりやらなければいけない」と、反省の弁を口にした。

1トップの定位置を日々、手中に収めようとするセレッソ大阪の背番号8が躍動する中、横浜F・マリノスの背番号11のチャンスは最後の最後にやってきた。

ガーナ戦、後半40分、齋藤がピッチに立ったのだ。ジョーカーの役割を虎視眈々と狙う齋藤にとって、3-1という試合展開や短すぎる出場時間が足かせとなった。だが、齋藤は武器であるスピードに乗ったドリブルやピッチを動き回ってのディフェンスなど、すべてをぶつけた。この全力プレーが、指揮官の心に響いた。ザッケローニ監督は試合後、「齋藤は最後の10分ほどプレーしたが、サッカー人生で一番大事な試合のように入ってくれて満足している」と言及した。

ホームの日産スタジアムでの試合を終えた齋藤は、「どれだけ結果に結びつけるかが課題。真司くんや圭佑くんと一緒にできたのは大きかった。今後並んで一緒にやらなければいけないし、越えていかなければいけないと思うので、もっとやらないといけない」と、新たに闘志を燃やした。

1トップで固定されている柿谷と、1.5列目のジョーカーとして期待される齋藤。立場も役割もポジションも異なるふたりだが、日本代表で確固たる地位を築くためには、さらなる成長が必要だと理解している。アタッカーを成長させるのはゴールであり、勝利である。柿谷と齋藤はそれぞれのユニフォームに着替え、再び日産スタジアムのピッチに立つ。横浜F・マリノス×セレッソ大阪は9月14日(土)にキックオフ。チケット発売中。