大久保嘉人(川崎フロンターレ)  (c)J.LEAGUE PHOTOS 大久保嘉人(川崎フロンターレ)  (c)J.LEAGUE PHOTOS

9月7日に行われた、『ナビスコカップ』準決勝2試合は、ホームチームが11月2日(土)・国立競技場・決勝へ勢いをつける勝利を収めた。

「ナビスコカップ 準決勝」チケット情報

等々力競技場では前半0-2と浦和レッズにリードを許した川崎フロンターレが3-2と劇的な逆転勝利を収め、日立柏サッカー場では柏レイソルが横浜F・マリノスに4-0と大勝したのだ。

ネルシーニョ監督の辞任騒動に『天皇杯』からの中2日のゲーム、そしてエース・工藤壮人の不在とレアンドロ・ドミンゲスの戦線離脱と、三重苦が襲った柏の完勝劇は見事のひと言に尽きる。

指揮官は攻撃時は4-2-3-1、守備時は4-1-4-1を徹底し、自由にさせてはいけない中村俊輔を封じた。だが、シュート数自体は横浜FMが柏の9本に対し11本と上回った。GK・菅野孝憲の好セーブなどで得点は許さず、逆に田中順也とジョルジ・ワグネルが2点ずつ決めたのだ。

先勝したネルシーニョ監督が「非常に力のある、質と経験も豊富な相手チームに対して、我々の選手は個としてもチームとしても100%に近い仕事をしてくれた。今日の勝利に関しては選手を称えたい」と語った。4-0をひっくり返すのは困難を極めるミッションだが、横浜FMもあきらめてはいない。樋口靖洋監督はショックを隠し、「結果は残念ですが、後半チームが見せた一体感、ゴールに向かう姿勢は今後につながっていく。次は我々は4点以上取らないといけない。しっかりと準備をして、なんとしてもリベンジを果たしたい。今日の借りは三ツ沢で返したい」と前を向いた。

川崎の風間八宏監督もしてやったりの思いが強いだろう。7月のリーグ戦で川崎は浦和に4-0で勝利した。ペトロヴィッチ監督は前回の反省から激しいプレッシングとマンマークを課して、今回の準決勝に臨んだ。采配はぴたりとハマリ、前半に興梠慎三が2ゴールを決めた上、後半20分まで川崎の攻撃を完封して見せた。だが、ゴールの匂いすらしない川崎イレブンは焦らず、「レッズの運動量は90分間はもたない」と踏んでいた。そして、後半18分に風間監督がDF・伊藤宏樹に代えて、MF・森谷賢太郎を投入。システムを3-4-3から4-2-3-1に変更し、マンマークのズレを誘った。

川崎は前半はシュート2本だったが、後半は10本ものシュートを放ち、レナトのゴール、そして大久保嘉人が同点弾、逆転弾を決めたのだ。

ホームチームは逆転勝利と大勝とこれ以上ない形で初戦を終えた。だが、準決勝はもう1試合ある。10月12日(土)、浦和は川崎を埼玉スタジアムで迎え撃ち、横浜FMはニッパツ三ツ沢球技場で奇跡の大逆転を目論む。第2戦まで1か月ある。この先何が起こるかわからない。浦和はもちろん、横浜FMも準決勝突破の可能性はゼロではない。浦和×川崎はチケット発売中。横浜FM×柏は9月15日(日)一般発売。