(左から)宮本信子、朝倉あき、高畑勲監督、地井武男

スタジオジブリ最新作『かぐや姫の物語』の中間報告会見が17日、都内で行われ、主人公の“かぐや姫”役に現在21歳の新進女優・朝倉あきが抜てきされたことが明らかになった。本作は高畑勲監督にとって『ホーホケキョ・となりの山田くん』以来、実に14年ぶりの新作。朝倉は2011年に行われたオーディションで大役を勝ち取り「すべてを注ぎ込もうという気合いが大きかった」と心境を語った。

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会見には朝倉に加えて、企画の鈴木敏夫プロデューサー、製作を手掛ける西村義明プロデューサーが出席。いったん公開が延期された本作だが、西村プロデューサーは「お騒がせしましたが、完成のめどが立ちました」と報告し、「スタッフも高畑監督の最高傑作だと確信しているし、今日のアニメーションの到達点と言える作品」と自信を深めていた。また、鈴木プロデューサーは、かぐや姫という題材について「高畑さんが作れば、それはファンタジーにはなりません」と説明。本作と高畑監督が手掛けたテレビアニメ「アルプスの少女ハイジ」には、「深い関係性があり、オマージュのシーンもある」と明かしていた。

この日は、6分間に及ぶプロモーション映像が初公開されたほか、高良健吾(かぐや姫の幼なじみ・捨丸)、地井武男(かぐや姫の育ての父・翁)、宮本信子(かぐや姫の育ての母・媼)、高畑淳子、田畑智子、立川志の輔、上川隆也、伊集院光、宇崎竜童、中村七之助、橋爪功、朝丘雪路、仲代達矢の出演も発表された。昨年6月に亡くなった地井さんは、2011年夏に声の収録(プレスコ)を行い、本作が遺作となった。

日本最古といわれる物語『竹取物語』を原作に、竹の中から生まれた美しき少女“かぐや姫”がなぜ地球を選び、やがて月へ帰っていったのか…。その過程で彼女が向き合う罪と罰を独特なタッチで描き出す野心作だ。『風立ちぬ』が大ヒットを記録し、宮崎駿監督の引退も発表された“ジブリイヤー”2013年の締めくくりを本作がいかに飾るか、ファンならずとも見逃せない。

『かぐや姫の物語』
11月23日(土・祝)より全国東宝系にてロードショー