トロカデロ・デ・モンテカルロバレエ団 トロカデロ・デ・モンテカルロバレエ団

男性だけで構成されるアメリカのコメディ・バレエ団、トロカデロ・デ・モンテカルロバレエ団が、2年ぶり28回目となる来日ツアーを9月14日、大阪国際会議場(グランキューブ大阪)メインホールより開催した。16日には神奈川・相模女子大学グリーンホール大ホールで公演を行った。

トロカデロ・デ・モンテカルロバレエ団 来日ツアー情報

トロカデロ・デ・モンテカルロバレエ団は、“誰もが気軽に楽しめるバレエ”をコンセプトに旗揚げし、1974年の初公演以来、コメディとバレエを融合させたエンターテインメント・ショーで世界中を楽しませている。2006年にはバレエ界のアカデミー賞と呼ばれる「英国批評家協会ダンス賞」の最優秀賞を受賞し、クラシック・バレエ界からも認められるという栄光を獲得した。今年はイギリスよりワールドツアーをスタートし、スペイン、アメリカ、ドイツを回り、今後はイスラエル、イタリア、フランスで公演を行う予定。来年40周年を迎える。

日本には1982年に初来日し、ほぼ毎年、来日公演が開催されている。今年は、『白鳥の湖』『瀕死の白鳥』『ショパニアーナ』『パキータ』、新作の『ローレンシア』、小作品が数種類用意され、4種類の組み合わせで上演。相模女子大学グリーンホール大ホール公演は『ショパニアーナ』で幕を開けた。女装メイクを施したバレエダンサーたちがポーズをとりステージに佇み、ショパンの音楽に合わせて、しなやかなダンスを披露していく。しかし、緊張感漂う静寂は、ユーモアたっぷりのパフォーマンスで破られた。長いまつ毛をパタパタさせながら目配せをしたり、大きな足音を鳴らしながらドタバタと駆け回ったり、ダンサー同士でぶつかったり。次々と繰り出される小ネタの数々に、会場の笑いは次第に大きくなっていった。

もちろん、ただ滑稽で面白いだけではない。スペインが舞台の『ローレンシア』では、情熱的なダンスで観客を魅了。主役のローレンシアはかわいらしく軽やかに舞い、恋人役は男らしくダイナミックにエネルギッシュなダンスで圧倒し、拍手喝采となった。名作『瀕死の白鳥』は、しおらしい姿で演じながらも、腰を揺らせる度に羽が大量に舞い落ちるユーモアたっぷりの踊りで会場を沸かせた。

日本ツアーは、9月29日(日)兵庫・神戸国際会館こくさいホールまで、神奈川県民ホール 大ホール、東京・新宿文化センター、埼玉・大宮ソニックシティ 大ホールで開催される。チケット発売中。

取材・文:門 宏