左からダニエル・ハーディング、インゴ・メッツマッハー、崔文洙 左からダニエル・ハーディング、インゴ・メッツマッハー、崔文洙

2013/2014シーズンより世界的指揮者インゴ・メッツマッハーを「Conductor in Residence」に迎える新日本フィルハーモニー交響楽団が、9月13日に都内で就任発表会を行った。

「新日本フィルハーモニー交響楽団」の公演情報

インゴ・メッツマッハーは、現代音楽を含む幅広いレパートリーと革新的なプログラミングで注目を集めるているドイツ人指揮者。ネザーランド・オペラ首席指揮者(2005~08年)、ベルリン・ドイツ響音楽監督(2007~10年)などを歴任するほか、ベルリン・フィルやウィーン響、ミュンヘン・フィルなど、欧州主要オーケストラへも頻繁に客演するなど、世界的に活躍。特に1997年から8シーズン音楽監督を務めたハンブルク州立歌劇場では、鬼才演出家のペーター・コンヴィチュニーとコンビを組んで数々の話題作を上演し、現在のオペラシーンに大きな影響を与えたことは有名だ。

メッツマッハーの「Conductor in Residence」の任期は、2013/2014シーズンより2年間。2010年から新日本フィルの「Music Partner of NJP」を務めるダニエル・ハーディングとともに、各シーズン4プログラム6公演を指揮する。

就任発表会見で、メッツマッハーは「新日本フィルは技術的には申し分ないし、音楽を客観的に見る能力も非常に長けています。ただし、日本の演奏家の皆さんは『西洋の音楽をリスペクトし過ぎているのではないか』と時折思うこともあります。クラシック音楽も日本の文化も根底に流れているものは同じ。異文化としてでなく、音楽に体ごと身を委ねられるような感覚で演奏してもらえるようにしたいと思っています」と抱負を語った。

会見には、メッツマッハーとの2頭体制を担うダニエル・ハーディングも登壇。「メッツマッハーさんとのコラボは非常に楽しみです。ふたりともオーケストラとワードワークするタイプ。(8月で任期満了となった)前音楽監督アルミンクさんの跡を受け、よりオーケストラへ貢献したいという思いも強いです」と意気込みを述べた。

今秋からの2013/2014シーズン開幕にあたって、新日本フィルとのプロジェクトについて何度も打合せを行っているというメッツマッハーとハーディング。互いにインテリジェンス溢れる音楽作りやプログラミングに定評がある両者の舵取りで、今後の新日本フィルがどのように展望していくか。期待が高まるところだ。