トランセンド「MP300」

通勤・通学の友として、多くの人々が愛用する携帯オーディオ。今回紹介するトランセンドの「MP300」は、携帯オーディオに求められる要素をしっかり備えながら、年代を問わず誰もが使えるシンプルな操作性、そしてリーズナブルな価格で人気を集めている。自分で使ってもよし、子どもへのプレゼントにもよしの「MP300」。その魅力を、さまざまな利用シーンで探っていくことにしよう。

●携帯オーディオに求められる四つの要素

携帯オーディオに求められる要素は、大きく分けて、「音質」「携帯性」「バッテリ」「容量」の四つ。PCやスマートフォンとの連携や、オンラインの楽曲販売サービスなどを簡単に利用できることも必要かもしれないが、やはり、「音を外に持ち出す・持ち運ぶ」という携帯オーディオの特性を考えると、この四つが最初に挙がる条件だ。そして、これらをバランスよく備えている製品が、トランセンドの「MP300」なのだ。

「MP300」は、「よい音質」「小さく軽い」「長時間のバッテリ駆動」「たくさんの曲を収録できる大容量」という基本的な要素を備えながら、「価格がお手頃」という美点ももっている。4GBモデルで2980円前後、8GBモデルでも3980円前後と、お小遣い感覚で買えてしまう価格だ。

メーカーがわからない怪しい激安製品からトップブランドまで、携帯オーディオは玉石混淆の商品カテゴリ。総じて「安かろう悪かろう」があてはまる商品でもある。ところが「MP300」は、この評価から一線を画している。音質は他社の売れ筋製品と比べて遜色なく、不満を感じることがない。

●スマートフォンのバッテリ対策にも

実際に使ってみて強く感じたのが、持ち歩くことがまったく苦にならないこと。重さは驚きの15g。スーツやワイシャツの胸ポケットに入れてもかさばらない。

バッテリ駆動時間がフル充電で15時間とスタミナたっぷりなのも頼もしい。通勤・通学に限定して使うなら、1週間は充電しなくても乗りきれる。海外旅行でも、飛行機内でぶっ続けで使い続けられるほどのスタミナ。しかも、ディスプレイを見なくても片手で直感的に操作ができるシンプルな操作性は、特に通勤電車の中などで恩恵を実感する。スマートフォンで音楽を聴いている人は、「MP300」と併用すれば、スマートフォンの弱点とされるバッテリのもちをよくすることができる。

PCとの接続はUSB2.0。追加のソフトウェアは不要で、ドラッグ&ドロップだけでデータを転送できる。音楽ファイルのフォーマットはMP3とWMA。また、大容量のUSBメモリとして、文書データやデジカメ画像、ムービーファイルなども保存できる。この点は、ビジネスパーソンには便利だ。値段も手頃で超軽量なことから、ふだん携帯オーディオプレーヤーとUSBメモリの両方を持ち歩いている人にはオススメだ。

●メッセージを入れてプレゼントに最適

すぐれた機能をもちながら、誰にでも使えるシンプルな操作性を備えているので、デジタル製品の操作に不慣れな高齢者や子どもにも大いにオススメできる。入門用にもってこいの携帯オーディオだ。

また、「MP300」にメッセージを入れて、遠く離れたおじいちゃんやおばあちゃんにプレゼントしたり、クリスマスソングを収録して子どもにプレゼントしたり、というのもシャレている。シンプルで愛らしいデザインと相まって、誰にでも喜ばれること間違いなしだ。(ITジャーナリスト・市川昭彦)