中井美穂アナウンサーとグランプリを獲得した市川悠輔監督&キャストの皆さん

渋谷のシネクイントで自主製作映画の登竜門「第35回PFFぴあフィルムフェスティバル」が14日から20日まで開催。映画祭のメインプログラムで、過去には園子温、熊切和嘉、李相日、内田けんじ等を排出している世界最大級の自主映画コンペティション「PFFアワード2013」の表彰式が20日に行われ、最終審査員の安藤親広映画プロデューサー、橋本一監督、中井美穂アナウンサー、中村義洋監督、俳優の森山未來が各賞を発表した。

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グランプリに輝いたのは市川悠輔監督の『夜とケイゴカー』。悪友が車を借りに来たことから始まる異色のロードムービーに、中井が「とんでもなくヒドイ人が出てくる話で、どこに連れていかれるんだと思いながら、最後まで走り終えた。そしてとんでもないところへ連れて行ってくれた」と称賛の言葉をおくったが、当の監督は「まったく賞にかかることはないだろうと…。まだまだ未熟でほかの作品を観てこれじゃダメだろうと思っていました」と謙虚に頭を下げた。

応募総数511作品の最年少監督は11歳、最年長は61歳。最終ノミネート16作中5作品を占めた女性監督の躍進も目立った。また『山守クリップ工場の辺り』の釜山国際映画祭とバンクーバー国際映画祭への招待決定も発表された。受賞結果は以下の通り(年齢は撮影当時)。グランプリ受賞の『夜とケイゴー』は第26回東京国際映画祭「日本映画スプラッシュ」部門で招待上映される。

【最終審査員が選ぶ3賞】
●グランプリ
『夜とケイゴカー』 市川悠輔監督/27歳/山形県出身
●準グランプリ
『きみの信じる神様なんて本当にいるの?』 猪狩裕子監督/28歳/東京都出身
●審査員特別賞
『女島』 泉谷智規監督/30歳/奈良県出身
『山守クリップ工場の辺り』 池田暁監督/37歳/東京都出身
『夜の法則』 山下洋助監督/22歳/神奈川県出身

【PFFパートナーズが選ぶ3賞】
●エンタテインメント賞(ホリプロ賞)
『愛のはずみ』 佐藤悠玄監督/22歳/東京都出身
●ジェムストーン賞(日活賞)
『女島』 泉谷智規監督/30歳/奈良県出身
●映画ファン賞(ぴあ映画生活賞)
『震動』 平野朝美監督/28歳/東京都出身

【特別設置】
●日本映画ペンクラブ賞
『夜の法則』 山下洋助監督/22歳/神奈川県出身

第35回PFFぴあフィルムフェスティバル
11月12日(火)から17日(日)まで愛知芸術文化センターにて開催

取材・文・写真:望月ふみ