(C)「MASKMEN」製作委員会

 今、斎藤工が元気だ。もともと、俳優としてジャンルや規模の大小を問わず、多彩な作品に出演してきたが、2018年は年初からマルチな活躍を見せている。

 まず俳優としては現在、「BG~身辺警護人~」(テレビ朝日系 毎週木曜午後9時放送)に出演中。

 民間警備会社に所属するボディーガードたちの活躍を描いた本作で斎藤は、木村拓哉演じる主人公・島崎章の同僚でライバル的存在の高梨雅也をクールに演じている。

 この他、出演した映画『マンハント』、『サラバ静寂』が公開中なのに加え、今後も『去年の冬、きみと別れ』(3月10日公開)、『のみとり侍』(5月10日公開)などが待機中。順調に歩みを重ねている。

 その一方、金曜深夜には「MASKMEN」(テレビ東京系 毎週金曜深夜0時52分放送)で、全く異なる一面を披露している。これは、「芸人になる」と宣言した斎藤が、野性爆弾のくっきープロデュースの下、マスクをかぶった謎の芸人“人印(ピットイン)”として修業を積む様子を追った異色のドキュメンタリードラマだ。

 とんがり頭に昆虫のような緑の目を付けたマスクをかぶり、おなかがポッコリ出た黒ずくめの衣装に身を固めた姿は、普段の斎藤とはかけ離れたシュールさ。この格好で実際にライブに出演し、駄目出しを食らうなど、試行錯誤を繰り返す姿にカメラが密着。マスクをかぶることで、斎藤であって斎藤でない、という絶妙な面白さを生んでいる。

 俳優、芸人、そして斎藤が見せるもう一つの顔が、映画監督だ。現在、“齊藤工”名義で初監督を務めた長編映画『blank13』が、全国順次公開中だ。

 ギャンブルで作った借金を残して消息を絶った父が13年ぶりに発見される。だが、病気で余命幾ばくもない父は、わだかまりを抱えた家族との溝が埋まらないまま、間もなく世を去る。その葬儀の当日、次男のコウジは、参列者が語るエピソードから、自分が知らなかった父の一面に気付かされる…。

 抑制の効いた演出と、主演の高橋一生を中心とした実力派俳優陣の好演が心に残る家族のドラマだ。映画監督“齊藤工”は、本作で上海国際映画祭最優秀監督賞(アジア新人賞部門)を受賞するなど、高評価を受けた。この成功を受けて、発売中の雑誌『FLIX 2018年4月号』(ビジネス社)で筆者が行なったインタビューでは、次回作への意欲をこう語っている。

 「上海で頂いた新人監督賞は、今後の期待値に対してのエール。だから、次で恩返しをしないと」

 実際、現在も監督作の準備が進行中だという。映画監督“齊藤工”の今後が気になるところだ。

 俳優、芸人、映画監督。2018年早々、マルチな活躍を見せる斎藤だが、そのモチベーションはどこから生まれるのか。前述の『FLIX』でインタビューした際、2018年の抱負を訪ねてみたところ、斎藤は2018年が六星占術で言う“大殺界”に当たることを打ち明け、次のように語った。

 「その時にしか生み出せない何かがあるような気がします」

 逆境だからこそ、あえて新しいことにチャレンジする。そのアグレッシブな姿勢が、今の活躍につながっているに違いない。多彩な顔を見せる斎藤が2018年、どんな作品を生み出してくれるのか。その動向に要注目だ。(井上健一)

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