6.最終結果を待たずフライングする

探偵に調査依頼して、ついに浮気の証拠が撮影できた‥‥しかし興奮のあまり勝ち誇って、まだ依頼中なのに「浮気してるでしょ!証拠もあるんだからね」と問い詰めることはオススメできません。

一般に、離婚の調停・裁判で不貞行為による有責が認められるには「複数回の肉体関係」が必要といわれています。だからたった1回の証拠が取れただけでは不十分なのです。問い詰めた瞬間は気持ちいいかもしれませんが、それ以後は一切浮気の証拠が得られなくなることを覚悟しておいてください。

おそらく多くの探偵は、浮気現場の撮影に成功した中間報告するとき、「まだ焦らず普段と同じ生活をしていてください。最低あと1回は現場を押さえたいので」と助言してくるはずです。それに従うかどうかは依頼人の判断次第ですが、法的な争いまで持っていきたいと考えているなら、安易にフライングして問い詰めることは避けましょう。

 

7.感情的になって依頼を決める

最後の1つは探偵を困らせるのではなく、あなた(依頼人)が一方的に大損するおそれのあるNG行動――感情的になって探偵社に飛び込んで、そのまま依頼してしまうことです。

まず大前提として、探偵業界には調査能力が低く、客を騙して大金を巻きあげることしか考えていない悪質な探偵社があることを知っておいてください。業界トップクラスと宣伝する大手ですら、二束三文の下請け費用で小規模探偵に調査を丸投げしているのが実情なのです。逆に料金が安くてもきちんと調査してくれるところはたくさんあります。「高ければ調査能力も優秀に違いない」「安かろう悪かろう」の考え方は、こと探偵選びに関してはまったく当てはまりません。

そうした悪質な探偵社は、まっとうな探偵社と料金・調査能力で比較されれば勝てないことは分かっていますから、相談にきた人を焦らせ、正常な判断能力を失わせて高額な依頼をさせようとしてきます。「今すぐ調査をはじめないと一生後悔しますよ」「うちに任せてくれれば100パーセント確実に浮気の証拠を取ってきます」など、冷静に考えればうさんくさい営業トークでも焦っている人間だとコロッと引っかかってしまうのです。

そんな相手にとって、感情むき出しで問い合わせてきた人は格好のカモです。たしかに信頼していたパートナーが自分を裏切ったと知った直後、冷静でいられないのは人間として当たり前のことです。それでも今すぐ証拠を得たい気持ちをぐっと抑え、何社にも問い合わせて比較検討してください。「業界トップの当社を他と比べてから決めるなんて何ごとですか!」と比較されるのを露骨に嫌がる探偵社は、依頼すれば高確率でトラブルを起こしますから避けるのが賢明です。

依頼する前のオススメは、複数社に相談すること。ただし探偵業界には別会社を装って実は同じ経営者だった‥‥というケースも多いですから、できるだけインターネットも活用して多方面から候補を探していきましょう。弁護士や離婚カウンセラーが提携している探偵を紹介してくれることもあり、そうして紹介を受けた場合は比較的信用できます。

感情をむき出しにするのは調査がすべて完了してからでも遅くありません。まずは頭を冷やして、「信頼できる探偵を見つける」「調査に必要な情報を正しく伝え、あとは何も余計なことをしない」――この2つを守ってください。

どこで間違えたのか研究者の卵から探偵へクラスチェンジ後、足を洗った現在はライター稼業。いまだに尾行を気にして振り返る癖が抜けません。記事の守備範囲はネット、現実世界に関わらずちょっぴりアングラ系を好みます。