ミラーレス一眼で初めて「Kiss」シリーズから発売される「EOS Kiss M」

キヤノンは2月26日、ミラーレスの新製品として、一眼レフの人気シリーズ「Kiss」から「EOS Kiss M」を発表した。「Kiss」の名を冠するミラーレスは今回が初。キヤノンオンラインショップの税別価格はボディー単体が7万3500円、EF-M15-45 IS STMレンズキットが8万8500円、ダブルズームレンズキットが11万1500円、ダブルレンズキットが10万4500円、EF-M18-150 IS STMレンズキットが12万2500円。3月下旬に発売する。

「EOS Kiss M」は、エントリー向けの一眼レフとして不動の人気を誇る「Kiss」シリーズの「小型・軽量」で「操作が簡単」というコンセプトを引き継ぎ、ミラーレスの入門機として開発。入門機でありながら、最新の映像エンジン「DIGIC8」を搭載し、一部では上位機種以上の性能を発揮する。

「DIGIC8」の特徴としては、まず、デュアルピクセルCMOS AFの進化が挙げられる。従来機種の「EOS M5」と比較すると、エリアフォーカス範囲がフレームの幅80%・縦80%から幅88%・縦100%に拡大。測距点は最大99点から最大143点に増加し、より高精度なAFが可能になった。

追尾性能も向上し、被写体と背景が同系色であってもしっかりと対象を捉え続ける。連続撮影速度は被写体を高精度に追従した状態で最高約7.4コマ/秒、AF固定時で約10.0コマ/秒。また、瞳にフォーカスを自動で合わせるAF設定が可能になり、手軽に質の高いポートレート撮影ができるようになった。

このほか、AE改善による逆光時の輝度調整や、進化したオートライティングオプティマイザによる顔の白トビ抑制など、撮影環境に左右される外部要因の解決にも貢献する。

補正・編集機能では、「EOS M」シリーズで初めて「Digital Lens Optimizer」をカメラ内に搭載。これまではPC用ソフトでしか操作できなかった補正がカメラ単体で可能になった。また、さまざまなテイストに写真を演出できる「クリエイティブクラウド」はオートモードのまま、画面内のアイコンで起動できるよう仕様を変更。スマホカメラの撮影・編集に慣れたユーザーでも、積極的に機能を利用しやすいよう配慮した。

液晶モニターは3.0型のタッチパネルで、バリアングル液晶を採用。約236万画素の有機ELディスプレイ内蔵EVF(電子ビューファインダー)を備える。ダイヤルやボタンなどの操作部は右側に集約することで片手でもコントロールしやすいよう設計した。

撮影素子はAPS-CサイズCMOS(約2410万画素)で、常用最高ISO感度は静止画でISO 25600(拡張ISO 51200相当)、動画でISO 12800(拡張ISO 25600相当)。動画は4K 24p/25p対応。対応無線規格はIEEE 802.1b/g/n、NFC、Bluetooth 4.1。サイズは幅116.3×高さ88.1×奥行58.7mmで、質量はブラックが約387g、ホワイトが約390g。スマホ連携では画像の閲覧/操作/受信、カメラのリモートコントロールが可能だ。