梁勇基(ベガルタ仙台) (c)J.LEAGUE PHOTOS 梁勇基(ベガルタ仙台) (c)J.LEAGUE PHOTOS

9月28日(土)にキックオフを迎えるJ1リーグ戦第27節では、ベガルタ仙台×横浜F・マリノスが気になる。アウェイに乗り込む横浜FMは15勝6分5敗、2位・サンフレッチェ広島に勝ち点4差をつける首位に立っている。一方、ホームで迎え撃つ仙台は10勝9分7敗の8位、1位とは勝ち点12もの差をつけられている。

9/28(土)ベガルタ仙台対横浜F・マリノス J1リーグ戦 チケット情報

逆転優勝を本気で狙うと公言するには、いささか仙台の立場では説得力がないが、手倉森誠監督は気にしない。25節・大分トリニータ戦後、手倉森監督は「この順位から優勝と言うと、『またあの監督は何を言っているんだ』と言われかねないけど、可能性がある限り、奇跡を信じて、奇跡をぜひ起こしたい」とキッパリ。試合前には、指揮官は選手たちに「自分たちはやればできるんだ、しっかり自信を持って、期待に応えるべく、チームのパフォーマンスを最大限に発揮していこう。残されたリーグ戦を全部勝たないことに這い上がっていけないし、それをやりとげる覚悟で挑もう」と語り、ピッチへ送り出した。

手倉森監督がラスト10と位置づけた大分戦は6-0で大勝し、26節・大宮アルディージャ戦では、前半は相手の猛攻を耐えつつ、2-0でフィニッシュした。2011年は4位、昨季は2位とJ1リーグに旋風を巻き起こしてきた仙台は、今季は10位前後に低迷していたが、終盤へ向けて、反撃の狼煙を上げたのだ。

モチベーションの高さでは、横浜FMも引けを取らない。2004年以来となるリーグ制覇へ向けて、樋口靖洋監督は「勝つことによって、ほかの上位チームにプレッシャーをかけていこう」と、選手たちに伝えた。そもそも、樋口監督は一喜一憂しない。相手のシュート8本に対し20本ものシュートを放ちながら1-1に終わった25節・セレッソ大阪戦後には「結果としては勝ち点1でしたが、ウチが主導権を握って試合を進められたと思う。今後につながる勝ち点1だと前向きに捉えている」と語り、相手よりも3本少ないシュート5本に抑えられた26節・清水エスパルス戦後には「後半少し攻め込まれたが、しっかりとバランスを崩さず、最後までゲームをコントロールできたことが大きな勝因。タフなゲームを勝ち切り、非常に大きな勝ち点3だと思う」と振り返った。手倉森監督も、樋口監督も抜群の人身掌握術を発揮しているのだ。

両軍の強みは、指揮官だけではない。ピッチ上には絶対的なリーダーがいる。仙台には梁勇基が、横浜FMには中村俊輔がいる。両軍の攻撃は背番号10と背番号25を経由する。相手DFとGKは飛び込めず、自軍のFWにはドンピシャのスルーパスを通す。セットプレーとなれば、高精度のキックを放つ。さらに速攻か、遅攻か、長短のパスを使い分け、チーム全体にメッセージも送る。9月28日(土)・ユアテックスタジアム仙台でのベガルタ仙台×横浜F・マリノスの勝負の行方は、梁と中村、稀代のMFが左右する。チケット発売中。