パナソニックは、9月26日、社内カンパニーのAVCネットワークス(AVC社)社傘下のパナソニック モバイルコミュニケーションズ(PMC)が行っている携帯電話端末事業を大幅に見直し、個人ユーザー(国内通信事業者)向けのスマートフォンについて、本年度下期以降の新製品開発を休止すると発表した。従来型携帯電話の生産・販売と、スマートフォンを含む既存商品のサポートは継続する。

PMCがもつモバイル通信技術などのICT(情報通信技術)経営資源を、成長が期待される法人市場向けスマートフォンなどの新規・成長分野に戦略的に再配置し、AVとICTの融合によって新たな成長を目指す。

10月1日付で、PMCの携帯電話端末事業をAVC社内で再編。PMCの継続事業に従事する者を除く社員は、原則としてAVC社内で再配置する予定。

PMCは、2011年8月に初めてAndroid搭載スマートフォン「P-07C」を発売。その後、2012年4月に「ELUGA(エルーガ)」ブランドを立ち上げ、ドコモ、ソフトバンクモバイル向けに端末を納入していた。現在、販売中のスマートフォンは、6月発売の「ELUGA P P-03E」や「Disney Mobile on docomo P-05D」など。

家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」によると、2013年1月から8月までの累計で、PMCのシェアは、スマートフォンの新規開発中止を発表したNECカシオモバイルコミュニケーションズを下回る2.1%にとどまっていた。スマートフォン市場に参入した2011年のシェアは1.3%で、2012年は4.2%に向上したが、ドコモが「ツートップ戦略」を打ち出した今年5月以降、低迷していた。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。