『42~世界を変えた男~』 (C)2013 LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC.

史上初の黒人メジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソンの実話を描いた感動作『42~世界を変えた男~』でハリソン・フォードがジャッキーを導いた球団GMブランチ・リッキーを演じている。役のために熱心にリサーチを重ね、リッキーになりきるために特殊メイクをすることを自ら提案したフォードの熱いコメントがこのほど公開された。

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本作の主人公は、世界で始めて黒人メジャーリーガーになったジャッキー・ロビンソンと、球団のジェネラル・マネージャー、ブランチ・リッキーだ。リッキーは白人選手以外に開かれていなかったメジャーの門戸を開き、ロビンソン選手を迎え入れるが、観客やマスコミから非難を浴びる。映画は背番号“42”をつけて孤独な戦いに身を投じたロビンソンと彼を支えたリッキーの姿を描いている。

フォードは、数々の名作、ヒット作に出演し、米映画界を代表するスターとして人気を博すも、「自分は熱心な映画ファンではない」「自分のやりたい企画はない」とコメントするなど、映画界とは一定の距離を保ち続けてきた。しかし、彼は本作の脚本を読み、「是非とも演じたいと思ったからリサーチに熱中した。その中で彼が行った事はスポーツの枠を遥かに超えていることを感じた」と振り返る。「私はスポーツが好きというわけでありませんし、野球の歴史もあまり知りませんでした。しかし、リッキーは正義に関して情熱的だったし、当時の倫理観・道徳観を心から心配していた。肌の色を問題にして才能ある人にチャンスを与えない事に不信感があり、大事にしなければならない事は公平さであると考えていた。この映画は60年前にアメリカで起こっていたことです。そんな彼等が生きていた世界の実態を、現代の観客に知らせる必要があると思った」。

当時のドラマを、そこに生きた人々の想いをありのまま伝えたい、というフォードの強い意志は自身の“見た目”も変えることになった。彼はリッキーの体格や顔つき、声、話し方を徹底的に研究し、ブライアン・ヘルゲランド監督に特殊メイクを施すことを提案した。「ブランチ・リッキーは伝説的な人物だ。映画の中で知らない俳優が演じていれば彼(リッキー)は現実的に感じる。私はこの映画を観た人たちに『ハリソン・フォードが演じているブランチ・リッキーがいる』と言ってほしくないんだ。“ブランチ・リッキーがそこにいる”と考えて欲しい、それだけを思っていた」。

ヘルゲランド監督は「ハリソンは撮影中、自分のトレーラーにいることはありませんでした。常にキャストやクルーと話し、いつもセットにいたんです。もちろん特殊メイクと太ったように見えるスーツを着てね。彼からスターの面影を見ることができなかった」と語る。

本作でのフォード渾身の演技はすでに高い評価を集めており、『42…』は彼のキャリアの中でも特筆すべき作品になっている。

『42~世界を変えた男~』
11月1日(金)公開

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