レナト(川崎フロンターレ) (c)J.LEAGUE PHOTOS レナト(川崎フロンターレ) (c)J.LEAGUE PHOTOS

10月6日(日)・J1リーグ第28節のカードは、川崎フロンターレと柏レイソル、両軍サポーターにとって、11月2日(土)・国立競技場での『ナビスコカップ』決勝を睨んだ戦いになるだろう。ともに準決勝初戦を取っている。川崎は浦和レッズに3-2で勝利し、柏に至っては横浜F・マリノスを4-0と粉砕。

「10月6日(日) 川崎フロンターレ対柏レイソル J1リーグ戦」チケット情報

ホームで1-0で勝利すれば、決勝進出となる浦和サポにとっては、「初戦だけで決勝進出気取りとは、ふざけるにもほどがある」と言いたくなるのも十分理解できる。10月12日(土)に浦和が決勝進出を決めれば、第30節・10月27日(日)の浦和×柏戦が『ナビスコ杯』決勝のプレマッチとなるのだから。

話を川崎×柏に戻そう。川崎は12勝6分9敗の7位、柏は10勝8分9敗の10位に位置する。「リーグ戦とカップ戦は別物」とはよくいったもので、両軍とも中位に甘んじている。ただ、川崎はリーグ最多の52得点をマークし、柏はJリーグ勢最上位となる『ACL』ベスト4入りを果たした。川崎も柏も中位にはとどまらないほどの地力があるのだ。

川崎の攻撃力は前線のトライアングルが支える。19ゴールで得点王争いをリードする大久保嘉人、快速ドリブラーのレナト、ミスターフロンターレ・中村憲剛はマンマークや密集地帯をあざ笑うかのようなコンビネーションからゴールを陥れる。特筆すべきは前節の名古屋グランパス戦だ。ケガで中村、出場停止でレナトを欠いた上、序盤からゲームを支配されながら、大久保がワンチャンスを決めて2-1で勝利した。試合内容が良くとも結果がなかなかついてこない前半戦を経て、内容が悪くても勝ち点3を掴む逞しさが今の川崎にはある。

一方、今の柏に2011年J1リーグを制覇した「堅守速攻」で勝ち切るイメージはない。22節・大宮アルディージャに3-2と競り勝ち、翌節・湘南ベルマーレに5-2と圧勝したかと思えば、3点以上失ったゲームが9試合もある。『ACL』を戦い、22節から大黒柱のレアンドロ・ドミンゲスが戦線離脱し、前節もDF・増島竜也、MF・大谷秀和のセンターラインが負傷するなど、苦しい戦いを強いられている。だが、柏はネルシーニョ監督の辞任騒動にケガ人、『ACL』との強行軍という三重苦を乗り越え、『ナビスコ杯』準決勝初戦で圧勝した経験がある。今回も広州恒大とのアウェイゲームから中3日というハードスケジュールだが、過密日程を言い訳にはしない。

指揮官や戦う選手たちは、もちろん11月2日(土)を意識することはないだろう。しかし、サポーターには試合を100%満喫する権利がある。10月6日(日)・等々力陸上競技場での川崎×柏を、『ナビスコ杯』決勝のプレゲームとして観るは、ファン意識として十分ありだ。チケット発売中。