『悪の法則』会見の模様

リドリー・スコット監督がキャメロン・ディアス、ブラッド・ピット、ハビエル・バルデム、ペネロペ・クルス、マイケル・ファスベンダーらをキャストに迎えた新作『悪の法則』の記者会見がロンドンで行われ、スコット監督とバルデム、クルス、ファスベンダーが登壇した。

その他の写真

本作は、恋人(クルス)にも仕事にも恵まれた“カウンセラー”と称される弁護士(ファスベンダー)が、友人のライナー(バルデム)、裏社会のブローカー、ウェストリー(ピット)らと麻薬取引に手を出すも、想像を絶するトラブルに巻き込まれていく姿を描いた作品だ。

米文学史を代表する作家コーマック・マッカーシーのオリジナル脚本を手がけることになったスコット監督は「長年、素材を開発することに時間を費やしてきたが、いい素材が向こうからやってきた試しはない。35年間の映画制作の経験でも、いい脚本が机の上に置かれていたことはなかった」と前置きした上で「この作品が初めてだったよ。“よし、これはハビエル、これはペネロペ…”という具合にイメージが見えてきた。最後まで読んだころには、作品の良さがよくわかったから、俳優が空いていれば確保しようと、すぐに電話したんだ」と振り返る。

バルデムは監督には絶大な信頼を寄せており「僕らもみんなそうだけど、監督がしっかり自分たちの面倒をみてくれると信じていた」と述べ、ファスベンダーは共演したクルスについて「彼女の演技を見て、息をのんだよ。とても生々しくて、とても本能的でリアルな演技だった。まるで現実のことのように感じた。彼女の前に座り、僕は反応するだけでよかった」と絶賛した。

本作は主人公を陥れた”悪”を操る者の正体を巡るサスペンスであり、同時に誰もが危険と思いながら魅了されてしまう“悪”を描いた作品だという。クルスは「映画を観終わったら、あんな世界に足を踏み入れたいとは思わない。キャラクターたちがいくら格好よくても、あの人たちになりたいとは思わない。もちろん、映画は人々に何をすべきかを教えたり、世界を変えたり、教訓を垂れたりするのが目的ではないけど、この映画で語られる問題は重要なテーマであり、今でも続いていることなの。それを責任ある態度で扱うことは大事だと思う」と説明。本作はハリウッドの定石では考えられない”予想外”の展開で観客を翻弄しながら、同時に観賞後にはじっくりと考えたくなる新しいタイプのエンターテイメント作品になっているようだ。

『悪の法則』
11月15日(金) TOHOシネマズ日劇他全国ロードショー