ヤマハミュージックジャパンは2月27日、ヤマハ銀座スタジオで「南壽あさ子 ハイレゾ体験会&ミニライブ」を開催した。ヤマハの会員制サービス「ヤマハミュージックメンバーズ」の会員向けイベントで、およそ40名の来場者が、ハイレゾをキーワードに「音・音楽を聴く楽しみ」を体験した。 ハイレゾ体験で使用した機材は、ヤマハのハイレゾ・ネットワークオーディオ「ミュージックキャスト」対応製品。プリメインアンプにA-S2100、ワイヤレスストリーミングプリアンプにWXC-50、スピーカーにNS-F901と、ハイレゾ音源を存分に楽しめる贅沢な構成だ。ゲストは人気急上昇中のシンガーソングライター南壽あさ子さん。最新アルバムの制作秘話や彼女の楽曲、お気に入りの曲をハイレゾで楽しみ、後半のミニライブでは「ピアノの弾きうたい」で生演奏を披露した。

南壽あさ子さんの最新アルバム「forget me not」。「わすれな草」の英名、forget me notから着想を得て、初めてセルフプロデュースでつくった。2016年から17年に収録した楽曲を中心に構成し、アルバムのラストを書き下ろしの新曲「forget me not」で締めくくることにした。収録では理想の音像を目指して朝10時から翌朝の5時まで何度も録り直し、納得するまでじっくり時間をかけた、渾身の一曲だ。また今回初めて音の「ヨゴシ」も意識。部屋の中で聴いている様子をイメージしながら、ストリングスの摩擦音や、ピアノのペダル音まで聞こえるような音づくりにこだわった。

とはいえ、あまりにも時間を掛けすぎたことで「みんなに迷惑をかけたので、次はパパッと……」と話し、会場の笑いを誘う場面も。

アルバム7曲目の「八月のモス・グリーン」は、ボーカルの収録とミックスダウンをロサンゼルスで行った。レコーディング・エンジニアはラファ・サーディナさん。スティーヴィー・ワンダー、レディー・ガガ、マライア・キャリー、マイケル・ジャクソンなど錚々たるアーティストのレコーディングを手がけてきた超一流のエンジニアだ。南壽さんは「最初、海外のレコーディング・エンジニアはざっくりとした感じだろうと先入観をもっていたが、実際は全く逆。これまで経験した収録の中で最も緻密な作業だった」と振り返る。この曲では、「必要なところで必要なものが聞こえる」開放感のある音作りを目指したという。

南壽さんは「ピアノも歌もドラムスもベースも同じ楽器。それらが一体となって心地よい音を生み出すと気づき、考え方ががらっと変わった。そこから、音によりこだわるようになった」と話す。ハイレゾについては「音に奥行きがあり、細やかなところまでよく聞こえる。人に聞こえない帯域まで再生できることは一見無駄のようだが、それにも意味があり、人がその場にいて歌っているような錯覚に陥るほどだ。耳で聴く音楽だが、目でも見えるような聴き方ができる。また制作者の意図がより細かく分かるようになる」と高く評価した。

実際、南壽あさ子さんの思い出の曲として流したイーグルスの「ホテル・カリフォルニア」は、ビットレート192Kbpsの高音質音源だったこともあり、ボーカルのドン・ヘンリーが目の前で熱唱しているような臨場感が感じられた。また、ハイレゾ収録された南壽さんの楽曲「forget me not」や「八月のモス・グリーン」が流れると、まるで本人がそこで演奏しているようなみずみずしい音が楽しめた。

トーク&ハイレゾ体験に続くミニライブでは、先ほどハイレゾ音源を流した「forget me not」や「八月のモス・グリーン」も演奏され、聴き比べることもできた。「レコーディングは楽曲の思いを正確に伝えるため冷静に録っているが、ライブでは情熱的になる」と語る南壽さん。スタジオで緻密に積み上げられた完成品ともいえるハイレゾ音源と、何が起きるか分からないスリリングなアーティストの生演奏には、それぞれのよさがあり、収録とライブとで微妙にスタイルが変わるアーティストの両面も楽しめた。(BCN・道越一郎)

■プロフィール:南壽あさ子

1989年3月6日生まれ。シンガーソングライター。2012年6月に「フランネル」でインディーズデビュー。透明感あふれる歌声と独特な世界観で、デビュー直後から注目を集める。翌13年10月「わたしのノスタルジア」でメジャーデビュー。16年7月に所属レーベルをヤマハミュージックコミュニケーションズに移した。「積水ハウスの歌」や東京ガスの「あなたとずっと今日よりもっと・エネルギーのうた」など、CMにも数多く楽曲を提供するかたわら、無印良品のジーンズのモデルを担当するなど、活動の幅を広げている。17年8月に発売した最新アルバム「forget me not」をひっさげて精力的に全国ツアーを巡り、この3月18日、東京・港区の品川インターシティーホールでツアーファイナルを迎える。

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