デ・パルマ映像美炸裂!愛憎入り乱れるオンナ版『半沢直樹』?

2013.10.10 14:42配信
パッション』(C)2012 SBS PRODUCTIONS - INTEGRAL FILM - FRANCE 2 CINEMA

デ・パルマの新作と聞くと、自動的にウズウズしてしまう人は多いだろう。だが、その一方で、このところのデ・パルマにはちょっとガッカリさせられた、と言う人も少なくないはず。だが、そんな人こそ、最新作『パッション』は期待して観て欲しい。清純派キャラの役柄が続いていたレイチェル・マクアダムス、ハリウッドではちょっと使いこなせていない感のあるノオミ・ラパスの共演とは意外。しかも、ドロドロのオンナ愛憎劇。『キャリー』や『ファム・ファタール』が好きな筆者としては、デ・パルマらしさをそこに見いだしてしまう。

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さて、肝心の出来映えだが、今回はバッチリ。長回しやスローモーションなど、デ・パルマ映像美炸裂。そして、ストーリーも。上昇志向の強い女ボス・クリスティーンのビッチさ、その優秀な部下イザベルとの確執が生まれてからのドラマは、正直有り体な構成なのだが、それですら飽きさせない。これを観て「火サスっぽい」だのと言ってしまう人も出てきそうな気がするが、お約束を踏襲してこそのデ・パルマ作品を楽しむには、まず監督の旧作をご覧いただきたい(間違っても『ミッション・トゥ・マーズ』は観ないで)。

特筆すべきは、なんといっても前半戦の、マクアダムスVSラパスの心理戦だろう。自らの昇進とNY本社異動をかけて、手段を選ばないクリスティーンは、誰が観てもいやなオンナ。イザベルに同情するのが当たり前の展開だが、そこは主点ではない。双方とも我欲にかられ、女子校的な陰湿さをむきだしにしていくのだ。善悪キャラの対立ではなく、げに女性は恐ろしい、ということを浮き彫りにしていく。この物語において、男は添え物感たっぷりだ。

部下の手柄は上司の手柄……どこかで聞き覚えが。は!オンナ版『半沢直樹』か!?

『パッション』
公開中

『ぴあ Movie Special 2013 Autumn』(発売中)より文:よしひろまさみち

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